内容説明
「月のたまご探検隊」の隊員は、再会したのもつかのま、三郎は海の小人の世界へ。一方、まゆみはダマーニナにとられた鏡の城の中、アラエッサ、ストンストンは2人をさがして旅の空。大流行の奇病「青ころり」の原因を鏡の城にすむ魔女のしわざだとして、王国乗っとりをたくらむダガーは、命令した。「鏡の森を焼きはらえ!」王国は危機を脱せるか?シルバー王妃のカラーイラストつき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かのこ
42
ナルマニマニ博士の切ない恋の結末が印象的な7作目。戻らない時間の重さを感じる。「鏡の森」の焼き払い計画も進む中、いよいよ一同が森に集結する。 そんな緊迫の巻の中でも、アラストコンビのはいくまつり乱入からの綱引き大会は肩の力を抜いて読める。 キラップ女史とクリームソーダのシーンも大好き。福永先生は本当に食べ物を描くのがうまい。久しぶりにクリームソーダが飲みたくなった(*´ω`*)2017/07/08
レモン
36
ダガーがなかなかの悪役っぷりを発揮。カメレオン総理暗殺(未遂)もそうだったが、ちゃんと悪代官。ナルマニマニも憐れ。「新月のたまご探検隊」が結成され、主要登場人物が続々と鏡の森に集結する一方で、唐突な休憩シーンとなるキラップ女史のクリームソーダがすべてを持っていく。「華麗なるクリームソーダの色彩」には女史でなくとも目を奪われる。三郎がすっかり出てこなくなったが準主役のはずでは?最終巻で活躍してくれるのだろうか。読み始めるとあっという間だった月のたまごシリーズも、いよいよ次でおしまい。2024/05/13
たぬ
13
☆4 最終巻のパート8まであと少し。ブランカ大尉はダガーの悪だくみをうまくかわせるのかな。まさか爆殺されることはないだろうけど緊張。今回はアラエッサ&ストンストンのページがたっぷりで実にたぬ得でした。うなどんを入れ歯はずして食うばばあ ラーメンの汁にうかんだ羽虫かな 以上アラエッサの詠んだ俳句。アラエッサのムギ組からはきつねうどん、ブドウパン、お好み焼が、ストンストンのコメ組からは焼おにぎり、赤飯、品川巻が出場。かわいいなあこのコンビ。微笑が止まらんよ。2024/11/12
翔(かける)
12
あとがきを読んだ時、福永令三先生の文学作品への熱い想いが聞けて(文字通り聞くような感覚だった)、そんなことを考えていたのだと感慨深いものがあった。彼が目指すのは、子どもを寝かしつけるような作品ではなく、子どもの目がキラキラして眠れなくなるような作品だそうだ。クレヨン王国の世界は独特で、だから唯一無二で、私も大好きだったことを思い出した。シリーズも佳境に入り、中心人物たちがそれぞれの目的と理由で鏡の森へ集結していく様子が描かれる。続きが楽しみだ。2023/02/28
紫伊
9
ナルマニマニが切ないです。ここに来れたことは運命じゃないかなと思いました。ダマーニナの愛には憎しみがついてくるというのはある意味真実だなと思いました。そうならざる得なかったところが切ないですアラエッサとストンストンは相変わらず楽しいです。でも故郷への思いだったりふと気づく感情が奥が深い。そして物語は陰謀なども絡め、ラストへ。あと、キラップ女史の注文したクリームソーダがとてもおいしそうで読むたび飲みたくなります。2014/06/29