出版社内容情報
【内容紹介】
●雑念を捨て去り、ひたすら精神を集中せよ。
●読む価値のないものは読むな。
●無意識の巨大な潜在能力を活用せよ。
●ことさらにレトリックを弄するな。
●オリジナル情報にできるだけ近づけ……。
新聞・雑誌・書物から個人や組織にいたるまで、多様なメディアが発信する膨大な情報を、いかに収集・整理・活用するか。情報の真偽を吟味・加工し、ゆたかな知的生産を行うには、何が必要か。ジャーナリズムの最前線で活躍をつづける著者が、体験から編みだした考え方と技法の数々を公開する。
情報の意味を読む。──コンピュータは自分が処理する情報の意味を知っている必要はない。インプットされた情報を数値化し、それを与えられた演算法則に従って計算し、その結果をアウトプットする。インプットされる情報とアウトプットされる情報の意味は、人間が解読するが、両者の間のプロセスは、意味抜きの演算である。それに対して、人間という情報系では、情報は常に意味付きでなければならない。人間の思考は意味と切り離すことができない。従って、インプット能力は、目や耳の生理的情報受容能力以上に、情報の意味を理解していく能力に左右されることになる。──本書より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
126
この本は知的生産の本に似ている感じがしました。かなり具体的な方法やツールを多用している気がします。これを全部真似をしたり取り入れたりすることはできませんが、この中から自分でできそうなものをピックアップして行っていけばいいのだと思います。それにしても立花さんのパワフルさは本当にすごいと感じます。2015/12/01
徒花
117
おもしろかった。人間の知的作業をコンピューターのソフトウェアにたとえて、「インプット」と「アウトプット」という言葉で表現した嚆矢ともいえる一冊。ジャーナリストとして、インプットする情報をどのように収集、取捨選択するか、そしてその情報を以下に分類、整理して、最終的なアウトプットに落とし込むか、その具体的な手法が述べられている。個人的には取材の方法についてのところも、大変学びが多かった。あと、最終的に「自分のやり方を見つけろよ」というメッセージでしめられるものも、なかなか爽快。2022/05/09
5 よういち
96
「知の巨人」立花隆が体験から習得した知的生産の考え方と技法を紹介。◆1984年発刊で、インターネットなどが情報源として一般的ではなかった時代に書かれたものであるが、昨今の知的生産の本の下敷きとなっていると思われる内容が多々。それゆえ今となっては基本的なことばかりではあるが、膨大な情報が溢れる現代にこそ読んでおきたい一冊。◆本を読もうとするとき、死ぬまでにあと何冊読めるかのうちの一冊として価値あるものかを吟味する。/難解な文章を時間をかけて読むことで養う集中力/どう質問するの前に、何が知りたいのかを明確に。2019/11/07
mitei
48
立花隆が自分なりの勉強の仕方、情報の収拾の仕方を解説した一冊。少し梅棹忠夫の知的生産の技術を意識している感があった。2011/04/28
koji
36
2024年の読書納めは、34年ぶりに本棚から引っ張り出したこの1冊にしました。AI時代だからこそ、原点に立ち返った情報整理術を考えるべきという思いから読み始めしたが、読み進めて驚きの連続でした。例えば終章「懐疑の精神」は、夥しいフェイクニュースが跋扈する今こそ身につけるべき事実・真実の見分け方を指南しています。その他も、立花さんの情報整理術の指導は分かり易く具体的で実践的です。ただ立花さんは言います。(本書の例は参考にしても、最後は)「自分で自分の方法論を発見しなさい」。2025年の目標の一つにします2024/12/30