出版社内容情報
【内容紹介】
新幹線ひかりは東京──新大阪間に何本すれちがうだろうか、東北本線にある空白の1時間の意味は何か……。本来見るはずの時刻表を丹念に読んでいくと、そこには超過密ダイヤを軽業師のようにさばくスジやさんの見事な腕前が浮かんでくる。ローカル線から通勤列車まで国鉄全線完乗の快挙!もしくは怪挙?をなしとげた著者は、また時刻表の40数年間におよぶ熱烈なファンである。ダイヤのつくられ方、全線区架空討論会、時刻表名所めぐりなど蘊蓄を傾けた本書は、思わずニヤリとさせながら、鉄道の旅へ誘う楽しい大人の読物である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林 一歩
17
名著。2013/03/31
saga
14
著者ほど時刻表を深く読んではいなかったが、チャレンジ2万キロを時刻表の上だけで、接続を考えながら旅していた頃を懐かしく思い出した。第二章の国鉄全線大集会が楽しい。本書を読んでいたら無性に鉄道旅がしたくなったので、実は昨日(7/5)本書をお供に旅に出た。2013/07/06
牧神の午後
5
1981年。いまから20年以上前の本。勿論、情報として古い、新幹線はひかりとこだまだけだし、元気がないとは言えブルートレインもまだまだ走っている「国鉄」の時代。ただ、ここで書かれている鉄道への「愛」は多分いまの鉄っちゃんもそれほどかわらないんじゃないかと想像できる。パンピーからは無味乾燥な数字の羅列の裏を読み込み、一人悦に入る。どのローカル線が良いか、「僕の考えた理想の電車」なんてのを妄想し愉しむ。余人からは理解され難いのだけど、本人が愉しいのだから、それで良い。まったく、素救い難いアホやねえ(褒め言葉)2013/12/14
arkibito
4
元祖鉄道マニアとあえて敬意を評して呼びたい故・宮脇俊三さんの名著の復刊。数字と記号でひしめく分厚い時刻表をよくよく”読んで”みると、実にさまざまなドラマが浮かび上がってくる!本書では著者が直筆で作成した路線図なども収録されていて味わい深い。国鉄(その響きがすでに懐かしい)全線が募ってあれやこれやと主張する座談会が何ともおかしい。2010/03/31
本命@ふまにたす
2
紀行作家、宮脇俊三による時刻表に関するエッセイ。時刻表をめぐる状況も、鉄道のおかれた状況も執筆当時とは大きく変化したが、エッセイの面白さ自体には変わらない価値を感じる。2021/08/14