講談社現代新書<br> 「般若心経」を読む

講談社現代新書
「般若心経」を読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061456068
  • NDC分類 183.2
  • Cコード C0215

出版社内容情報

【内容紹介】
人は時として人生に空しさを感じ、迷い、心の支えを求める。生きる力を、救いを与えてくれる世界はないものか。「般若心経」は、衆生の苦厄を救うために説かれた。この世に存在するすべてのものは、実体がない。ゆえに、迷いも、苦しみも、老いも死もなく、永遠のやすらぎがえられるという。「ぎゃあてい ぎゃあてい……」の呪文は、さとれる人への、それを目指さんとする人への讃歌である。信ずるとは、さとりとは、真実とは、「空」とは、「色」とは、生きるとは……。人が生きてゆくうえでぶつかる様々な悩みを通して、「般若心経」の真髄に迫る。

空しさの中にゆたかさを見る――たしかにこの世は空しい。人間のすることもあてにはならない。しかし、あてにはならないと思っているからこそ、時として、人間とはなんとすばらしい存在だろうと思えるのではないか。生きていることは確かにあてにならない。人の命はまことにはかないものである。だからこそ、今生きているということが、たとえようもなくすばらしいことだと感じとられるのではないか。そのとき、空しかった空(くう)はもう少しもむなしいものではなく、広大無辺なひろがり、神の胸、仏のふところ、あたたかな永遠の生命の中にぴったりと抱かれていることに気づく。それを「空即是色」というのである。そんなゆたかな、ゆったりとした、途方もない人生が、この世の中にちゃんと実在するのである。それを私たちは、「真実」と呼ぶのである。――本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAKAPO

32
紀野一義先生は、冒頭の「般若心経賛歌ーまえがきにかえて」の中で「この本の第一章に私はかなりのスペースを割いて翻訳者 玄奘(げんじょう/西遊記のモデルである唐の玄奘三蔵/629年にインドに赴き、645年に長安に帰ってきた)の一生について語った」と書いていらっしゃいますが、私は、この本で初めて玄奘の功績というか、過酷な状況を乗り越えて任務を果たした生涯に触れ、紀野先生が、それを知った時に(おそらく)そうだったように、感動するとともに、玄奘という人物に、生き方の指針を発見し、強く尊敬の念を抱きました。2019/03/16

Mark

18
なるほどなあ~。このような見方もあるのかしら。 無上甚深微妙法百千万劫難遭遇我今見聞得受持願解如来真実義。ふと開経偈が思い起こされました。2019/10/13

モリータ

7
◆1981年刊。風呂で唱えてるので理解を深めたいと思い積読を崩す。◆「重箱の隅をほじくるようなことをやっていると、お経の持つ原初的な生命力がどこかへ消え失せてしまう」と痛感しているゆえに「語句をひとつひとつ詳細に解説してゆくという気持が今の私にない(p.7)」との言葉通り、字義や内容の仏教思想史的な解説はほとんどない。◆代わりに語られるのが、般若心経に絡んで著者の思い入れのある人物や作品に関する挿話、というか与太話。時折語句の解説はあるが、どういう段階の教義による解釈なのかがわからず消化不良で中断。2020/11/04

hayatama

3
いやね、般若心経はココロの癒しになるんだけど、ここまで情緒的に書かれてもなぁ。話もあちこちに飛ぶし。といって、自由訳もどうかと思うし。解説書を期待して読むとがっかりします。2009/10/26

ひーじー

2
2/5 一昨々年の秋に母を送って以来、毎週末実家に行っては、仏壇に向かって般若心経を唱えています。ふと、お経の内容を詳しく知りたくなり、この本を読んでみました。その結果は……ほぼ完全に理解不能^^; たぶん私の読解力のせいなのでしょうが、何度同じ所を読み返しても理解できず、読み進めればわかってくるかと思いきや、どんどん置いていかれる始末。断片的に味わい深い文はあるのですが、ほぼ何もわからないまま読み終わってしまいました。倫社の成績は良かったし、仏教・禅関係の本も、好きなものが多いんですけどね。2022/02/14

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