出版社内容情報
【内容紹介】
翻訳力とは何よりも日本語を書く能力であり、翻訳者はまず文章のすぐれた書き手でなければならない。文法や辞書一辺倒の生硬な翻訳調や、日本語として通じない誤訳・悪訳はわがもの顔にまかりとおり、日本語の乱れの一因をもなしている。2つの言語の出遇いの場では、単語・文形の〈相似(アナロジー)〉にしばられるのではなく、文意の〈相同(ホモロジー)〉を追究し、異なる文化風土のなかに息づかせることがたいせつである。美しい翻訳とは何か、日本語らしい表現とは何かをめぐって、翻訳の真髄とその心得を、豊富な実例をもとに説きあかした、初心者のためのABC。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
2
「誤訳批評」で有名な別宮貞徳による英語翻訳入門書。英語から日本語へ翻訳する際の心得と、いくつかの基本的なテクニック(関係代名詞の処理、動作名詞の動詞句化など)が著者特有の少々癖のある文体で簡潔にまとめられている。翻訳入門の定番『英文翻訳術』(安西徹雄、ちくま学芸文庫)と重複する内容が多いが、本書は日本語の文章力を磨くことを第一に説いている点に特色がある。ちょっと古いのが玉に瑕だが、初心者が取っ掛かりに読むのに適していると思う。2011/06/07
秋色の服(旧カットマン)
1
約40年ぶりに読み返してみた。夏休みの宿題、読書感想文で小説は絶対に読みたくなかったので、わざとこれを選んでやったのです。当時、いろんなことを教わった。すぐにひっくり返して訳す、受験英語しか知らなかった自分には、「順行」ってのが衝撃だった。それと世の中の翻訳本が実は間違いが多いということも。2016/12/22
カムナビ
0
ひょんなことから翻訳業に身を投じることになり、翻訳家のはしくれとなったのでこの本を読んでみた。 翻訳は英語を読む能力が高くないとできないと思われがちだが、それは誤解で最も重要なのが日本語の能力である。 海外に住んでいて英語ができる人などは、通訳には向いているにしても、 翻訳はさっぱりなんていうのもよくあることだ。むしろとんでもない日本語を書いてしまう。 翻訳で一番まずいのは、漢文の書き下し文のような日本語である。 機械翻訳に頼ると、これが頻発してしまう。 これは楽だし時間もかからない。訳してい2016/02/26
あっちゃんのパパ
0
評価=5:前置詞の扱いなどについては目からウロコが落ちた。冗句を訳すことが出来れば素晴らしい翻訳家だ。2014/06/06
虫歯治療中
0
この作者の言いたい事の意味がわからない。 作者が博識なのはわかる。アマゾンで彼の訳書や著書を 調べたらレビュー自体が少ない。おそらく彼の文章は多くの人に 通じていないと思うのは私だけだろうか?時間を無駄にした。2010/12/03
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