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出版社内容情報
ラスカリスとルイセを喪ったヴァレリー。そして、聖都・イェルサレムを包囲する、リチャード率いる十字軍──。名篇、急迫の第五弾!聖都イェルサレムは、リチャード獅子心王率いる第三次十字軍によって包囲された。これまでの心労が祟ったサラディンは病に倒れ、心身に傷を負ったヴァレリーも陣頭に立てない状態にあった......。
打つ手がないまま窮地に追い込まれたイスラム陣営に対し、
十字軍へと走ったかつての仲間、〈蒼狼〉キヤトの軍略が牙を剥く──。
定金伸治の贈る名篇、危殆の第五弾!
定金 伸治[サダカネ シンジ]
著・文・その他
えいひ[エイヒ]
著・文・その他
内容説明
聖都イェルサレムは、リチャード獅子心王率いる第三次十字軍によって包囲された。これまでの心労が祟ったサラディンは病に倒れ、心身に傷を負ったヴァレリーも陣頭に立てない状態にあった…。打つ手がないまま窮地に追い込まれたイスラム陣営に対し、十字軍へと走ったかつての仲間、“蒼狼”キヤトの軍略が牙を剥く―。定金伸治の贈る名篇、危殆の第五弾!
著者等紹介
定金伸治[サダカネシンジ]
作家。1971年大阪府生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。1991年、『ジハード』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞に入選し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
25
第三次十字軍による聖都イェルサレム攻囲が続く中、登場人物たちの苦悩・葛藤を描いた第五弾。お互い局面を打開するための手段を持たない聖都攻囲は膠着状態で、一概に善悪を論じられない状況だからこそ、登場人物たちは己の進む道に対して疑問を持ち、他者と論じ合い、何とか解決の道を見出そうとする人がいる一方で、利己的な思惑によってかけがえのない人物の命が次々と失われてしまうのは厳しいですね。最後にも気になる事件があったりで、なかなか明るい未来の見えない状況も次でついに最終巻。物語をどのようにまとめるのか期待しています。 2014/10/16
まりも
11
多くの戦場を乗り越え大切な人達の死を経験した事でヴァレリーとエルシードの関係がより強固になりましたね。なんかエルが今までで一番可愛らしく感じました。獅子心王の下にかつての部下蒼狼が加わり戦局は不利になる一方ですがヴァレリーとエルは無事生き残る事は出来るのだろうか。ヴァレリーに惹かれて多くの人が様々な思惑を抱え聖都に集まった訳ですがこの物語がどのような結末を迎えるのか楽しみです。2014/10/07
鳩羽
7
聖都イェルサレムを包囲した十字軍と積極的籠城をするイスラム軍は、互いに策を読み合い降着状態に陥る。そこにヴァレリーとの共同統治を持ちかける獅子王の妹まで受け入れ、戦況の方向を定める人々の心にも様々な動きが起こる。登場人物の思いが語られ、それぞれの信じる方向を見つけるための思索期間みたいなものがそれぞれに訪れる。かつて強いと仰ぎ見ていたキャラが平均的に感じられるなか、ヴァレリーはやはりふわふわととりとめがなくて、これは彼の話なんだなと思わされる。2015/01/03
がくちゃびん
4
色々と物語が動き始めた本巻。アリエノールの執着やアイヴァンホーの自責などが印象的ですけど、唯一、ヴァレリーの奇抜な戦術が描かれなかったのが物足りなかったかな。捕虜の人道的解放がこの後どのような影響を与えるか楽しみ。次巻がいよいよ最終巻だし、期待が高まります。2015/09/18
サケ太
3
十字軍による聖都が包囲される。十字軍側では、裏切者「蒼狼」が冷徹な策略を組み立てる。戦況は均衡状態となり、登場人物らは自らと向き合い、悩み、支え、支えられ、答えを見出していく。青年は決意する。親は子に裏切られる。女は恋に狂う。少女はその気高さを失わない。最後の事件は衝撃的。各人物に死相がみえるなか、この物語はどう収拾がつけられるのか。次巻が最終、結末はいかに。2014/11/06