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出版社内容情報
突然の死を迎えた彼女の死体を葬儀会場に忍び込み、盗み出してしまった「僕」。一人暮らしのアパートを占拠した大型冷凍庫の中に横たわった彼女(死体)との奇妙な同棲生活がはじまった……! 唐辺葉介の問題作にして、新たな代表作(ラブストーリー。
内容説明
突然の死を迎えた彼女の死体を葬儀会場に忍び込み、盗み出してしまった「僕」。一人暮らしのアパートを占拠した大型冷凍庫の中に横たわった彼女との奇妙な同棲生活がはじまった…!唐辺葉介の問題作にして、新たな代表作。
著者等紹介
唐辺葉介[カラベヨウスケ]
小説家、シナリオライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
流言
40
主人公のモチベーションは恋愛になるのだが、タイトルに『死体泥棒』というあるようにクライムサスペンス要素が加わっており恋愛小説とは一風変わった緊張感を提供している。主人公の無気力なダウナーっぷりと、それでも今やっていることをやめることもできずに引き延ばす気持、それとは相反するかに見える衝動的な行動も妙なリアリティがあり、最終章の展開も拍子抜けするような気もするし、こんなものという気もする。無理のない範囲できれいにまとめられた、傷ついた主人公がうちひしがれてまた立ち上がって歩き出す、という前向きな物語である。2016/01/20
しゅてふぁん
30
落ち着いた色合いながらもメルヘンチックなイラストとタイトルのギャップに惹かれて手に取り、死体を盗んで同棲する恋愛モノというあらすじを読んでそれは一体どんな結末になるんだろうと興味深々で読み始めた。とんでもないことをしている割に冷静な主人公と彼に関わってくる一癖も二癖もある周囲の人々、テンポ良く進む物語にあっという間に引き込まれていった。主人公の内面も丁寧に書かれているし、この結末、私は好きだな。2018/05/03
miroku
26
歪んだ世界の片隅に生きること、あるいは歪んだ生き方か?不純なる純情の物語。2017/11/30
そのぼん
12
恋人の遺体を盗み出す―そんな衝撃のストーリーでした。主人公の青年のどこか不安定な感じが伝わってきて、何とも言い難い気分になりました。目眩く倒錯の世界−『愛とは何か』ってのがテーマでしょうか。2012/01/23
センラ
9
恋人の遺体を盗み出した青年のお話(こういうの大好き)。愛する人を亡くし、犯罪に手を染め、半ば自覚的に崩壊してゆく主人公。一種の凄味を感じさせる描写。淡々とした語り口ながらも、深い哀しみを感じさせる筆致。▽他の方も仰っていますが、ラストシーンが見所。青年の感情が静かに溢れ出し、それが読み手の心にも染み入ってくる。素敵な小説でした。2016/12/22