出版社内容情報
野村 泰紀[ノムラ ヤスノリ]
著・文・その他
内容説明
我々が生きる「この宇宙」は、物理法則も次元の数も異なる無数の「宇宙たち」の一つにずきない…。宇宙論の最前線である“マルチバース宇宙論”が描く驚くべき宇宙像は、20世紀末から本格的に行われた宇宙膨張に関する詳細な観測と、超弦理論やインフレーション理論といった最新の理論物理学の進展から、自然な帰結として導き出された。その先進性から、かつては研究者の間ですら「哲学」であると揶揄されるものであったこの描像は、近年になって急速に受け入れられつつある。このマルチバース宇宙論の核心部分へと読者を誘うこと、それが本書の目標である。
目次
第1章 「宇宙」って何?(我々の宇宙とは?;膨張する宇宙 ほか)
第2章 よくできすぎた宇宙(素粒子の不思議な構造;基本的構造にしてはあまりにも恣意的だ ほか)
第3章 「マルチバース」―無数の異なる宇宙たち(ワインバーグの洞察;超弦理論と量子重力の問題 ほか)
第4章 これは科学?―観測との関係(よくある誤解;「人間原理」について ほか)
第5章 さらなる発展―時空の概念を超えて(永久インフレーションと無限大;量子力学の不思議な世界 ほか)
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
haruka
25
マルチバースって、泡がポコポコ同時発生するわけじゃない。"量子論的な確率の分布そのもの" がマルチバースなのだ。重ね合わせの幻のようなひとつひとつに実体が宿るという不思議にドキドキする。 ほかの宇宙とは互いにアクセスできない、なぜなら両方の観測は同時に成立しないから。観測者ごとに現実は分岐するのだ… それはブラックホールの外と内の関係に似ている。 それぞれの宇宙では空間の次元や力の種類、素粒子の質量が根本的に異なっているけれど、自然界のより深い原理、量子力学にはその全てが従うと考えられる。量子力学すごい。2025/09/30
em
20
我々のいる泡宇宙の外には宇宙が「始まる前」の領域があり、我々はそこに行くことはできない。しかしそれは観測不可能だということではない。泡宇宙は小さく生まれて大きくなっていく、かつ生まれた瞬間から一様で、無限の大きさを持っている。この二つが矛盾しないのはなぜか。……気が遠くなりそうですが面白い。マルチバースとは「宇宙がたくさんあります」というぼんやりしたアイデアではない、とあとがきにありますが、ぼんやりしたものだと思っていた人(私)にもやさしい本。初心者向けの本ではかなり重要な、たとえも上手です。2018/10/12
tom
16
2回読む。面白いと思いながら読み、読み終えたものの何の記憶も残っていない。これはヤバいと思ってもう一度読むという経過。でもマルチバースは何なのだと自分に聞くと答えられない。仕方ないから、3回目をパラパラ。著者は、マルチバースは、沸騰する熱湯から湧き上がるお湯の泡のようなものと例示する。広大な宇宙空間の中でマルチバースという宇宙の卵が次々に湧き出してるらしい。どうしてそうなるのかは、量子力学と一般相対性理論と超弦理論から・・・?超微細世界を扱う量子力学と広大な宇宙がドッキングしている。面白いけれど難しい。2024/02/28
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15
私には徹頭徹尾ムズくて何言ってるのかはさっぱりわからなかったが語り口はとても誠実なものだったのでまた何度も読み返すと思う。2021/10/16
mazda
13
ユニバースではなくマルチバース。やっぱりわからない…2019/04/12




