星海社新書
真田信繁の書状を読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 285p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061386013
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0221

出版社内容情報

書状から見えてくる、真田信繁の素顔とは?信繁の発給文書を読む、ファン必携の一冊!  (仮)一次史料から浮かび上がる、真田信繁の素顔
真田信繁は、「大坂の陣で活躍した武将」として広く知られています。しかし、大坂入城から討死までは、彼の人生最後の八ヶ月間にすぎません。それ以前の活動は、置き去りにしてよいものでしょうか? また、「幸村」という名をはじめとする、軍記物由来の情報も史実と勘違いされがちで、結果的に不確かな信繁像が流布してしまっているのが実情です。そこで本書では、信繁が出した全一七点におよぶ書状を道しるべに、彼の足跡を辿りなおしたいと考えます。軍記物など後世に編まれた「二次史料」ではなく、書状という「一次史料」を丹念に読むことで、多くの新知見を得ることができるでしょう。誰も知らなかった、信繁の素顔に触れる旅がはじまります!

はじめに
第一章 史料を読むということ
第二章 少年期の書状
第三章 秀吉馬迴時代の書状
コラム 関ヶ原合戦と真田氏
第四章 九度山配流期の書状
第五章 大坂の陣時代の書状
あとがき
主要参考文献


丸島 和洋[マルシマ カズヒロ]
著・文・その他

内容説明

真田信繁は、「大坂の陣で活躍した武将」として広く知られています。しかし、大坂入城から討死までは、彼の人生最後の八ヶ月間にすぎません。それ以前の活動は、置き去りにしてよいものでしょうか?また、「幸村」という名をはじめとする、軍記物由来の情報も史実と勘違いされがちで、結果的に不確かな信繁像が流布してしまっているのが実情です。そこで本書では、信繁が出した全一七点におよぶ書状を道しるべに、彼の足跡を辿りなおしたいと考えます。軍記物など後世に編まれた「二次史料」ではなく、書状という「一次史料」を丹念に読むことで、多くの新知見を得ることができるでしょう。誰も知らなかった、信繁の素顔に触れる旅がはじまります!

目次

第1章 史料を読むということ(古文書とは何か;一次史料と二次史料―「史料批判」という作業 ほか)
第2章 少年期の書状(元服前の信繁が出した平仮名書きの書状;木曾に人質として行った理由 ほか)
第3章 秀吉馬廻時代の書状(原本が新発見された文書;「信繁」署名の初見文書と小田原合戦参陣 ほか)
第4章 丸度山配流期の書状(丸度山への配流;年次比定と信繁の入道 ほか)
第5章 大坂の陣時代の書状(徳川からの寝返り工作;大坂冬の陣の終結 ほか)

著者等紹介

丸島和洋[マルシマカズヒロ]
戦国史研究者。1977年大阪府生まれ。2000年、慶應義塾大学文学部史学科卒業。2005年、同大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(史学)。古文書学・史料学に軸足を置いた戦国大名論を専門としている。現在、国文学研究資料館特定研究員・慶應義塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺

65
さよなら2016年、さよなら真田幸村。『真田丸』を楽しみにしていた私が自分にしたクリスマスプレゼントが本書である。大河ドラマの時代考証の一人である著者が、幸村(信繁)の書いた17通の手紙と数通の関係文書で綴った信繁伝である。同時に絶好のテキストを使った古文書入門でもある。文書の状態や書き方、言葉遣い、紙質や史実から年次や宛先を比定していく。歴史学者は名探偵である。ドラマを観ていたお陰で、出てくるマイナーな人物達も俳優の顔が浮かび暖かい気持ちで読めた。あの大河は実に研究を尊重したドラマだったのだ。お薦め。2016/12/28

buchipanda3

17
著者は「真田丸」の時代考証を担当。書状(手紙)という切り口は面白そうと思い手に取った。古文書というと難しそうなイメージもあるが、分かりやすい現代語訳も付記されていて読み易かった。さらに元服前から晩年(大坂の陣)までをカバーしており、ドラマの総ざらいの意味としても楽しめた。書状の中身は様々。何とは無いものもあるが、そこからも信繁の人柄や心情が読み取られて興味深い。九度山や大坂の陣の頃のは苦悶や諦念、覚悟など様々な気持ちが感じられ何とも切ない。史料の読み方、書状の形式などの解説もあり楽しめた1冊だった。2016/12/18

うしうし

7
専門性が高いが、面白い本である。信繁の書状17通を時系列で紹介し、関連文書を踏まえて解説を行っている。また、古文書を読む際の入門書的な記述も多くあり、これも非常に勉強になる。特に1号文書とされる「真田弁丸消息写」の考察が素晴らしい。この文書はこれまでに存在が知られてはいたが内容が誤って解説されていたものを著者が再検討し、新たな解釈を与えたもの。「弁丸」こと後の信繁が、幼少時に木曽に人質として抑留されていたことを解説する。書状に認められる「あどけなさ」が残る印象なども、著者の解釈によってすべてが氷解する。2016/11/15

さとうしん

7
真田信繁に関連する書状を年代順に提示して読み解いていき、その内容を掘り下げていこうという試み。信繁の生年、血縁の者とのつながりと、年代ごとの関係性の変化、大坂の陣の前後の動きなど、個々の書状から読み取れる信繁の足跡が意外に多いことを示すとともに、「史料を読む」という歴史学本来の営みの面白さも伝えてくれる。2016/10/07

amabiko

6
読み応えある良書で今年読んだ本では一番の収穫。近年刊行の何冊かの信繁伝を読んでいたので、本書は特に興味深く読めた。当該期の古文書学入門として読むこともでき、とても勉強になる(特に書札礼の解説)。現代語訳の仕方にも工夫があり、私のような史料読解能力の低い者でも十分に理解できた。まだ30代の著者はこれまで一体どれだけ多くの史料に接してきたのか。歴史学の基礎として、史料(特に原本史料)と真摯に向き合うことの大切さを痛感させられた。2016/10/28

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