出版社内容情報
ぼくとの約束、忘れないで… 猫のよもは、ゆうじさんとの釣りをたのしみにしていました。ところが、忙しいゆうじさんは戻ってきません。やがてピアノが消え、ベッドが消え、ついには…
内容説明
忘れないで欲しいこと。ピアノも、テーブルも、そして家さえも、あなたがきづかないと、なにもかもなくなってしまう…。あなたにとっては小さな約束。でも、それはとても大きなことだった…。「心」を描く、成田雅子のファンタジー。
著者等紹介
成田雅子[ナリタマサコ]
東京生まれ。多摩美術大学油画科卒業。講談社絵本新人賞において、1993年度「猫の紳士」、1994年度「ふしぎなあかいはこ」で佳作に連続入選
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃこばあ
37
仕事に忙殺されていくゆうじさんを、ずっと待っている猫のよも。とてもとても切ない。やっとやくそくを思い出してくれて…。世の仕事人間に見てもらいたいな。2016/07/19
yumiha
36
再再再読。『迷子の魂』(オルガ・トカルチュク)を読みながら、本書を連想したので、my本棚から引っ張り出す。ねこのよもをゆうじさんの迷子の魂と置き換えて読み進む。やはり切ない。2021/03/19
nyanco
33
忙しくなったゆうじさん、疲れて話もしない。ピアノを弾くのを止めるとピアノが…一緒にご飯を食べなくなるとテーブルとイスが…家で寝なくなるとベッドが…家の中からどんどんと物が無くなっていきます。「もしかしたら、ぼくも なくなっちゃうのかな。」「ゆうじさんまで なくなっちゃたのかな。」胸が締め付けらます。大切なものを失う前に、ゆうじさんが心を取り戻せてよかったね。よもの表情が豊かで、心に響く絵本でした。大切なものを見失いかけている忙しすぎるあなたにオススメ。 2010/07/26
けんちゃん
32
ゆうじさんが忙しくなるにしたがって、家の中のものがなくなっていきます。ねこのよもは心配でたまりません。釣りに行く約束も忘れられてしまうのでは、ゆうじさんが戻ってこなくなってしまうのでは…いつの間にか自分がよものような気分で読んでいました。ふと、よもとの約束を思い出し、戻ってきたゆうじさんとよもに静かな時間が流れます。このシーンはすてきでした。「忙しい」「忘れる」はどちらも心を亡くすと書きますが、心を亡くすと周りのものも消えてしまう…ちょっと背筋の寒くなるお話でした。2012/05/26
ももたろう
25
環境の変化やストレスで自分を失くしている人へ。お気に入りのコート、いつも弾いていたピアノ、家具。気が付かないうちに身の回りの物が一つずつ消えていく。大事なものを疎かにしていると周囲が見えなくなる。そんな時ほど安らぎの時間を。ゆうじさんとネコの“よも”の大切な約束。月明かりが差し込む静かな夜にぴったりの絵本🌜️2021/02/16