感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ げ こ
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主人公が渇望するものの正体は、彼女の存在を肯定する言葉、彼女を必要とする者の存在であると思う。不安定で、不器用で、多くの矛盾する感情を他者に向け、自分に向け、苦悩し、葛藤し続ける彼女。別れた男への未練、後悔。母親に期待する言葉。永遠に現れぬと嘆く兄に代わる存在。互いを必要とし合う母娘への嫉妬。歪んだ関係性の中に居場所を見出し、人間が抱く当然の欲求を瞬時に押し殺す、彼女の心が悲しい。2013/06/30
