講談社文庫<br> 楊貴妃伝

講談社文庫
楊貴妃伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061311152
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

【内容紹介】
玄宗皇帝の寵愛を受け、後宮の最上位を占めた後、皇帝の妃となった楊貴妃の運命的な短い生涯を、唐代の史実の中に掘り起こしながら、女の愛の不思議さと、権力者の非情な心のからみあう人間ドラマを、絵巻物のように浮かび上らせ、壮大な叙事詩として構築した名編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃんondrums

18
30数年ぶりに本棚から手に取って再読。目障りな者たちを消していった則天武后のようになる可能性が、楊貴妃にもあった、しかしそうはならなかったというのが興味深かった。美しいばかりに権力者の寵を受け、自らの意志というよりも、宮廷の権力争いに巻き込まれる形で、流されながら、権力をその腕に掻き抱いたのだな。名君であった玄宗皇帝の老いと孤独が悲しかった。しかし宮廷の贅沢のために、どれだけ民衆から搾り取ったのかと思う。どこの国にもある話だが。井上靖先生、格調高いです。2019/03/31

Splash

2
権力を得た者が持つ、明日は誰かが自分に取って代わり、対立派を追いやるかもしれないという強い強迫観念。権力者周辺では、こういう権力闘争が繰りかえされてきたのだと思う。2016/09/01

カズザク

1
歴史上、悪名高き傾国の美女。皇帝の寵愛・庇護の下で贅沢三昧、皇帝・国を私物化等、確かに彼女達も「悪」なんだけど…悪の根元は、それを生み出す仕組(後宮)を作り上げた皇帝…男の我儘と欲望にあるように思う。楊貴妃の権勢・権力の増大と、玄宗の老い・政治的衰えの反比例が、面白くもあり恐ろしくもある。帝国の全盛期と亡国の危機を一人で味わった玄宗…こんな皇帝も珍しいのでは?楊貴妃と楊一門に突然訪れる最期…「夢」が一瞬にして覚めてしまう虚しさ…「夢」を見るきっかけを作った玄宗に、「夢」の破壊を止める力が…もっと虚しい。2019/08/16

入江千珠

1
凄く妖艷で策士だった面を強調していた内容でした。ラストは圧巻です。2016/04/28

NAO

0
傾国の美女という程度の知識しかなかった楊貴妃について興味があり、本書を何十年前に買ったもののずっと手付かずで本棚にあったが、その本を1週間で読了。難読文字が多く、物語に入るのに時間がかかったが、最後まで来た時、しんみりとした無情感を持ちました。楊貴妃は幸せだったのか、不幸せだったのか判断に迷うところです。高力士などの人物の心情も考えさせられる。マリーアントワネットの最期にも似ていますね。読んでよかったです。2017/11/28

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