感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ＫＪ
3
冷戦当時の東欧共産圏を覆う空気。スパイの生きる非情で冷酷な世界。当然では無いが故に生命や自由の尊厳が重く響く。自国の事だけを考えるなら気が付けない価値観がある。自由を奪われた国の現実は自由の尊さを教えてくれる。世界が連関している以上誰かの悲劇や苦難は自身の運命に成り得る。道化が秘める切なさ。無謀でも稚拙でも必死に闘う人間を笑う事は出来ない。本来チェコ事件は過去の歴史として客観視出来る事が理想だ。確かに現今は本書を読む好機だ。但し外国による自由と独立の蹂躙を現在進行形として生々しく捉えられる事自体が悲劇だ。2022/07/31
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