感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
「18世紀の啓蒙思想家たちは、おおむねアンチパスカルであった。ヴォルテールはもちろんのこと…ディドロ…コンドルセすらが、本質的には、アンチパスカルであった。かれらは人間の完成可能性は無限であると考えて、真理や幸福を目めざして一直線に発展してゆく人類の未来をかんたんに楽観視してしまった…かれらはパスカルのペシミズムを赦すことができなかった。…だが…科学と技術の進歩が人類の道徳的、社会的進歩に直結するなどと、とうてい信じることはできない。この点では、パスカルのほうがはるかに深く、現代の事態を見こしていた」2023/12/18