内容説明
百花繚乱ミステリ。姿・色・香、選りすぐりの短篇推理14の名花。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tanaka9999
4
1900年発行講談社の単行本。14編。宮部みゆき『サボテンの花』文庫本の感想に、結末が途中で読めたというのがあって、それはないだろう、と思ったのだが、途中で伏線が張ってあって、それに気が付けば最後が読めることに気づいた。でも、大抵の人は気づかないのでは。日下圭介『流れ藻』意外と人物関係が複雑でちょっとごっちゃになってしまった。しかし、現代風のドラマっぽくてよかった。短編ながら2時間ドラマの原作になりそうな感じ。2020/12/12
こまったまこ
4
1990年に発表された14人の作家の短編集です。都筑道夫さんの『西郷星』が一番面白かったです。明治の始めの東京が舞台で、探偵役が大森貝塚を発見したモース博士、ワトソン役はモース博士専属の人力車の車夫一太郎の物語です。この一太郎の話す江戸弁が小気味良くて面白かったです。モース博士が主役というのも珍しい。その頃の時代背景もしっかり描かれており、長編で読みたくなりました。最後にそれぞれの作品の解説や出典があると良かったのですが…。2015/03/31
Genei-John
2
「で、金野大地さんの推理では、一体誰が犯人なんですか」「そんなこと私にわかるわけないじゃないですか。私はですね、人が一人殺されたくらいでは調子が出ないんです。次から次へと人が殺されてですね、三人か四人、その犠牲になってこないと、私の推理は進まないんです」(『茶色い部屋の謎』清水義載)2014/06/12