出版社内容情報
【内容紹介】
マフィアの私刑にあい、両腕を失った男、壇タクヤ！復讐にもえたタクヤは、念力で動く義手を手に入れた。だが、彼の意識下にひそむ強い増悪は、彼の意図とは別に義手をあやつっていくのだった！短編2作を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
31
再読。表題作、「悪魔の開幕」「イエロー・ダスト」を収録。表題作は、人間の想念の凄まじさを知る一冊。主人公はマフィアの掟を破り両腕を切断される。鉄の義手を付ける。それを念力で自由に動かせるようになる。その義手が、主人公が寝ている間に復讐を遂げていく。ちょっと違うが、離れた盃を気合いで割った武道家がいたというから、それほど荒唐無稽ではないのかもしれない。「悪魔の開幕」は今の政府による改憲が行われたらこうなるだろうなという話。何十年も前にこれが描かれたことに驚く。2021/12/07
イリエ
17
最高級の面白さ！ 「ゴッドファーザー」に「巌窟王」を足して、ESP能力でスウィングバイ！ 暴走する義手、凄いもんみた～。少しグロいのでご注意を。2024/10/26
ヘムレンしば
3
「鉄の旋律」両腕をマフィアに切り落とされた男の復讐劇。義手が勝手に復讐果たしていくという、まぁ、ホラーだねぇ。「白い幻影」客船の遭難。愛する彼が溺れ死ぬ瞬間が眼の奥に焼き付けられた女性の物語。「レボリューション」難産の後、他人の記憶と入れ替わったかのような妻。しかしまぁ、革命を夢見る左翼の思考は今も昔も変わらないもんだねぇ。2015/08/03
オーダー６６
2
小学生の時に読んでいた手塚治虫の漫画。国民的人気を博す作品をハイスピードで描き続けるということが、どれほど凄いことかと今になって思う。 この本では、アメリカ社会において劣後的地位にあるイタリア移民一族の、偏狂的だが強固な鉄の掟が悲劇を呼ぶ話がある。一族レベルでも厄介な掟だが、それが国家レベルで歯止めなく暴走するということは非常に恐ろしい。2015/08/15
tenso_h(堀川てんそ）
2
毎月９９円のkindle版２作品が出るたびに購入している。今回はこれ。松田優作？と思ったのですが蘇る金狼などはこれより後みたい。収録されている他の短編も含め、淡々としているようで独特の緊迫感がある。やはり、手塚作品は記憶に残っているものよりも絵柄として完成度が高く感じる。単にうまさやセンスというのではなく、時代を超えて普遍性を持った完成度を感じる。2015/08/07
