出版社内容情報
平成11年2月に亡くなったつげ義春夫人は、一家の日常生活を絵と文にて記録していた。平凡な日々の悲哀と幸福とが綴られた貴重な記録。巻末に、つげ義春氏のロング・インタビュー「妻、藤原マキのこと」を収録。口絵カラー=8ページ。
内容説明
つげ義春夫人が遺した一家の日常をつづる絵日記。そこには、言葉だけでは表せない醇乎たる家族生活の喜びと哀しみが、見事に表現されている。夫婦ゲンカや愛息との愉しい散歩のこと、みずからの病や夫の精神的不調のこと、懐かしい田舎の風景のこと…。平成11年に他界した藤原マキ氏の絵日記・画集・エッセイをここに集成し、巻末にロング・インタビュー「妻、藤原マキのこと」(つげ義春)を特別収録。
目次
画集 藤原マキの懐しい風景
私の絵日記 つげ家の生活
あとがき二題
思い出エッセイ
写真集 つげ家の人々
妻、藤原マキのこと(つげ義春)
著者等紹介
藤原マキ[フジワラマキ]
本名、柘植真喜子。1941年、大阪生まれ。1945年、島根県加茂町へ疎開の後、高校時代に帰郷。卒業後、関西芸術座で演劇を学び上京、本格的に演劇の世界へ身を投じる。「ぶどうの会」「変身」「状況劇場」などで活躍。出演作に『腰巻お仙』の初代お仙役、『由井正雪』の夜桜姐さん役など。退団後、漫画家・つげ義春氏と結婚、一児をもうける。1999年、逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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国士舘大学そっくりおじさん・寺
30
つげ義春夫人・藤原マキ(元アングラ演劇の女優・故人)が描いた絵日記と思い出エッセイやイラストをまとめた一冊。口絵のカラー作品が良い。早川義夫『ぼくは本屋のおやじさん』の表紙絵はこの人だったんだなぁ。その絵柄は可愛くもあり稚拙でグロな所もあり、つげ義春に似た所もある不思議な味わい。私は好きだ。貧乏な日常は案外楽しそうでもあるが、途中夫の不安神経症発病で暗くなったりする。巻末にはつげ義春へのインタビュー。亡き妻の事を褒め過ぎずおとしめ過ぎず、割と客観的に語っていて良い。どんな家族も色々ある。当然だ。2014/12/24
秋津
5
再読2020/05/08
芳田
3
本編も良いがつげ義春の後書きが特に良い。自分の弁解をしつつもどこか冷たい程客観的。2009/12/09
ふじろう
2
つげ義春の文庫本を読んで、作られたお決まりの観光より、鄙びた素朴な旅もいいなあと感じました。私は戦後生まれだけど、柘植さんは戦中生まれだから幼少期は物がない時代だったんだろうな。同じ貧乏でも今の貧乏とは違うね。つげさんの写真もいいね。行きたくなるよ。そんなつげさんの奥さんの絵日記を読んでみたくなった。私にとっても幼少の記憶に残っている風景でもあった。2014/04/09
ななめ
2
何となく自分と似たところがあり、親近感がわきました。細部まで記憶して絵を描けるのが羨ましい。2012/08/26
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