内容説明
幕末、高杉晋作・久坂玄瑞・伊藤博文ら長州藩の若者たちを討幕運動へと導いた吉田松陰。彼ら若き才能は、なぜ狂おしいまでに行動し得たのか?幕末の早い段階で尊攘運動に挺身する志を掲げ、愚直なまでに実行しようとし、「至誠は必ず人を動かす」と信じて最期までその信念を貫きとおした時代の先駆者・吉田松陰の生涯を、史実に基づき瑞々しく描く。
目次
第1章 幼少期の松陰
第2章 旅人となった松陰
第3章 黒船来航と松陰
第4章 投獄された松陰
第5章 松陰と若者たち
第6章 松下村塾とは
第7章 留め置く魂
第8章 松陰復権
著者等紹介
一坂太郎[イチサカタロウ]
1966年、兵庫県芦屋市生まれ。大正大学文学部史学科卒。東行記念館学芸館を務めたが同館閉館により退職。現在、萩博物館特別学芸員・山口福祉文化大学特任教授・防府天満宮歴史館顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
10
山口県萩博物館特別学芸員の一坂太郎による松陰伝。口絵に珍しい『吉田松陰絵伝』が6ページ。なかなかシンプルな絵である。地元の研究者による伝記だから、貴重な史料からの引用もあり面白い。松陰の未熟な部分や限界もきちんと書く。松陰没後の長州での復権の話が良い。松陰という人は「偉いなぁ」と思わされたり「馬鹿だなぁ」と思わされたりする人物。満28歳で死んだんだもの。仕方ないわな。江戸送り前の松陰は見苦しい。2013/04/30
ryuuguuin_sin
2
考えるだけではなく、実践することの大切さを学んだ。私の場合、それは書くことである。ただ、外に出て、いろんな体験もしてみたいものだ。「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ 大和魂」
いとのり
0
全青司山口大会の基調講演の先生の本になります。吉田松陰の一生のお話ですが、これを読む前は別に読んだ本の影響で吉田松陰=幕末のテロリスト的なネガティブなイメージでした。読了しての松蔭の印象は、非常に努力家、大人になりきれないまま(行動が子供)、いったん決めると突き進む(青臭い)、周りが見えないことがある・・・という感じでしょうか。最後に幕府に捕まった際も嫌疑にあたる事実は全然関係なかったのに、「実は自分は暗殺計画を考えていました!」と自白してしまうところは、「馬鹿?」と感じてしまいました。。。2019/12/11