内容説明
信濃の小豪族・海野氏の傍流に生まれた真田幸隆。小領真田郷では生かしきれない大局観に優れた幸隆の才は、若き甲斐の虎・信玄との出会いで花開いた。一族を滅ぼした仇敵・武田家への仕官を決断するや、信濃先方衆として奔走。諜報を駆使した謀略と攻め弾正と称された武勇をもって、信玄から絶大なる信頼を得るに至る。一族復興のためには身内も迷いなく手に掛ける凄みと、息子たちに対する深い愛。その矛盾をも凌駕する独自の行動原理を貫いた智将の生涯。
著者等紹介
江宮隆之[エミヤタカユキ]
1948年、山梨県生まれ。中央大学法学部卒業。1989年、『経清記』で第十三回歴史文学賞、1995年、『白磁の人』で第八回中村星湖文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TAC
2
☆x4 あくまでも “眞田の戦い” として描くという一貫した姿勢は 幸隆公を “一武田家臣の” 眞田幸隆ではなく “眞田家当主としての” 眞田幸隆たらしめた。のみならず 作品自体をも武田家の威勢に預かる “家臣団としての眞田家物語” ではなく 名門で在りながら一度は滅亡に瀕した小豪族:海野家傍流眞田家が 如何に勇敢に其の名を回復し再起したかを語る 紛れもない “眞田モノ” に成り立たせている。2006/12/27
ゆうへい
1
武田信玄に仕えるところから始まります。その中で、様々な謀略を駆使して、城を落としていくのが非常に興味深く読めました。真田幸隆が謀将として描かれているので、とても印象的でした。
ぱぐびぃ
1
資料が少ないだけに真田三代の中では一番想像を膨らましやすい幸隆像、7月から新聞に連載が始まった火坂雅志の「真田三代」でもちょうど幸隆が砥石城を乗っ取るところから始まっていて、双方の幸隆像が異なっていて面白い。2009/07/14
BIN
1
山本勘助以上の知将と思うが、勘助が師匠っぽくでてきているのがちょっと個人的には不満だが、その謀将ぷりは表現できていたと思う。元が海野であったとかh勉強になった。2010/12/11
いつかはビーエム
1
真田家を興した武士の生き様2009/10/10