出版社内容情報
北条家の長男として生まれた時宗は、血で血を洗う骨肉の争いの中で勝ち残り、様々な苦難の末に関東を制圧して北条政権を打ち立てた。が、胸をなでおろす間もなく最大の難敵蒙古軍が押し寄せてきた。北条政権の成立過程と蒙古襲来をドキュメントタッチで描く。
内容説明
日本初の武家政権・鎌倉幕府は三代にして源氏将軍が断絶。以後、実権を握った執権北条氏は次々とライバルを葬り、その地位を不動のものとする。だが、時同じくして内憂外患の荒波が押し寄せようとしていた。日蓮は世の乱れを声高に叫び、蒙古からは国書が到来。若き執権・北条時宗は、二度にわたる元寇という未曾有の国難をいかに乗り切ったのか?壮大な歴史ロマンが展開する。
目次
第1部 嵐の前(鎌倉幕府;時頼の時代;鎌倉騒然)
第2部 蒙古襲来(当時の中国事情;文永の役;弘安の役)
第3部 元寇のもたらしたもの(暗雲ようやく去る;時宗の死;貞時の奮闘)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
27
元寇に絞った話と思っていましたら、北条氏の歴史の話でした。全体像が見えたので、結果的に良かったです。また元寇以後の話はよく知らなかっただけに興味深く読めました。 2025/05/05
TheWho
15
女流歴史小説大家で、直木賞作家の著者が描く鎌倉執権北条氏の成立から発展、紛争の歴史読本。題名からして、蒙古襲来時の時の執権北条時宗の活躍や背景が主題と思っていたが、鎌倉幕府成立時の北条氏の執権政治から得宗政治の確立の過程での有力御家人との抗争、北条氏傍流との確執等陰険な鎌倉政権内の陰謀の全貌が赤裸々に語られている。その上歴代北条氏の有能な政治も同時に語られ、蒙古襲来への詳細ま対処等に繋がっていく。鎌倉時代150年の全貌を描写した秀作です。2019/05/20