出版社内容情報
1941年6月22日、ヒットラーのドイツ軍は300万人の大部隊でソ連軍に襲いかかった…。軍司令官から一兵卒に至るまで、1000人を超える人々にインタビューし、戦闘日誌、命令書などの膨大な資料を駆使して描き出した、今世紀最大の戦闘の真実。
内容説明
1941年6月22日、ヒトラーのドイツ軍は兵力300万の大部隊をもって、ソ連軍に襲いかかった。マンシュタインをはじめとする司令官から一兵卒にいたるまで、1000人を越える人々にインタビューし、戦闘日誌、作戦命令、戦死者の日記などの膨大な資料を駆使して描き出した、今世紀最大の戦闘の実像とは?名手パウル・カレルが描く戦記ノンフィクションの最高傑作。
目次
第1部 モスクワ(奇襲成功す;救世主を捜すスターリン;作戦目標スモレンスク;モスクワかキエフか;スターリンの大いなる誤謬;キエフ攻防戦;タイフーン作戦;モスクワへのラストスパート;なぜモスクワをとれなかったのか?)
巻末資料 総統指令第二一号
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
規模の大きさから壮大なイメージを受けました。ドイツ側の視点主体で進撃から停滞が詳細にわかります。独ソ双方ともに戦略のミスは戦術で補えない一例のように感じました。部隊、人物が多いためなれるまで大変でした。2021/12/09
Dash-Checker
16
独ソ戦の古典を十数年ぶりに再読。戦線の息遣いまでが伝わる文体は素晴らしい。ソ連側の情報が少ないし間違いも多いが、書かれた年代を考えれば仕方なし。雪ではなく泥に負けたという一節は小林源文が引用していると思われ。ドイツの残虐行為をあえて書いてないという指摘もあるが、そういうのは別の本で読めばいいだけ。2020/12/25
鐵太郎
10
あの戦いと松谷健二さんの訳文を見直したくて読んでいます。上巻読了。独ソ戦に至る時代からモスクワ正面でソ連軍がドイツ軍を食い止めたところまで。地図や、独ソ両国の兵器、戦略、関係する人々の思いや行動が、克明に描かれていますな。すごいね。前線指揮官の足を引っ張るヒトラーの思いつきによる戦略転換や、スターリンの無茶な粛軍政策によるソ連の弱体化について、単に批判するだけでなくその意味やメリットまでも列挙する多角的な描写はさすがと言うべきか。2014/11/19
harass
7
ドイツ軍マニア必読の一冊。 第二次大戦の東部戦線の戦記で、史上最大の規模で繰り広げられた死闘を臨場感あふれるタッチで描写しています。 訳者はSFペリーローダンの名訳者松谷健二です。 壮絶で勇敢なドイツ軍とロシア軍の兵士達の戦いと零下50度の冬将軍の恐ろしさとその中での容赦ない消耗戦。上巻は1940年末のモスクワ攻防戦をドイツが諦めるところで終わります。 正直言って読んでいて辛くなってきました。後々の結果を知っているからこそ彼らの運命が悲惨極まりないのが身に染みてきます。 2010/11/15
Akitaka
5
怒涛のように軍人と部隊名が登場するので慣れるまで読みにくいが、ドイツ軍のスケールの大きな快進撃が伝わってくる。機動部隊で敵を包囲する事で容易に数十万の敵を撃破していく。なぜにソビエト軍はこうもやすやすと撃退されるのか不思議に思い読み進めてるたところ、スターリンの粛清による赤軍の弱体化をその遠因とする解説があり、戦闘経過とともに歴史的な背景も学べた。2018/08/12
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