出版社内容情報
池波正太郎・北原亜以子・神坂次郎・白石一郎・南原幹雄・…時代小説の名手が競演する「食」をテーマにした珠玉の名作集。
初鰹、雪見鍋、晦日蕎麦……。時代小説の名手たちが描いてきた「江戸の食」。この「食」をテーマに集められた珠玉の名作アンソロジー集。<収録作家>池波正太郎・宇江佐真理・神坂次郎・北原亜以子・白石一郎・村上元三・南原幹雄・和田はつ子
内容説明
ユネスコの無形文化遺産となった「和食」の原点ともいえる『江戸の食』。時代小説の名手たちによる美味と人情を描いた珠玉の名作アンソロジー集。蕎麦にふぐ、鯛、稲荷寿司、雪見鍋…9編の美味しい物語。
著者等紹介
菊池仁[キクチメグミ]
1944(昭和19)年、神奈川県横浜市生まれ。明治大学文学部卒業。椎名誠、目黒考二らとともに76年に「本の雑誌」の創刊に参画。歴史・時代小説の評論を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふみえ
6
やはり池波正太郎だな。梅安シリーズは未読なのでぜひ読んでみようと思います。他の作品もなかなか良く、「鯛一枚」は可笑しかったです。アンソロジーは次々読みたい作家が増えるので毒です。2014/06/08
山内正
4
のんきな声で亭主が帰り すし詰めを使いに出した この男が橋から飛び込もうとして 親方と話が合わず好きな女にも 言えずに居候さすと 店の古物を片付け夏太郎は鹿の角 で何やら細工を始めた おたかって女が明る日迎えに来て 夏太郎は出て行った 十日して店に礼を言いに 紙に包んだ物を お鈴にと差出す 瓢箪細工が六つ 口を開ると賽子と下駄が入ってた はて何の謎だいと むびょうそくさいだこれは お鈴の為に作った細工じゃねえか あたしは誰にもこれ渡さないからね こんな情のこもった物を2022/01/23
山内正
2
市之進へ魚辰が河豚を届けた 早速捌き客に食べて貰うと 料理は板前並と自信を持つ 旨いと皆が食べた鍋に刺し身と 弥四郎は親が総目付食わぬと 痺れて六人が倒れた 医者を呼ぶ 夕刻回復した者から帰った 他に道楽はないのか 食うだけか 変わった男じゃ 仕事ぶりは そう言えば物に動じない男だと 勘定方と吟味役が仲が悪く 新奉行が勢いが その奉行に正面から盾着いた市之進 前奉行に関係なく平然と 急遽長崎主張を楽しみと挨拶に来た 左遷の筈が 卓袱料理が食べれると あの男は新種だなと2020/09/29
ひさか
2
2014年3月刊。 池波正太郎「梅安晦日蕎麦」、北原亞以子「こはだの鮓」「最後の晩餐」、白石一郎「包丁ざむらい」、宇江佐真理「ひょうたん」、和田はつ子「風流雪見鍋」、南原幹雄「料理八百善」、神坂次郎「鯛一枚」、村上元三「大名料理」。 和田さんの「風流雪見鍋」は料理人季蔵捕物控の1巻め収録のお話で、当初は料理と捕物の話が違和感無く書かれていたんだと気づきました。白石さんの「包丁ざむらい」は、随分面白く、十時半睡事件帖シリーズを読みたくなってしまいました。2015/02/18
草団子
1
食をテーマとしたオムニバス。池波正太郎、北原亜以子、白石一郎、宇江佐真理、和田はつ子、南原幹雄、神坂次郎、村上元三。編者 菊池仁の作品解説あり。 私は池波正太郎さんの梅安晦日蕎麦、がよかったです。2021/09/23