出版社内容情報
池波正太郎、山本周五郎、松本清張、宇江佐真理など昭和の巨匠、平成の名手が市井の人々を描き出す、時代小説アンソロジー！
江戸の片隅で、ひっそりと暮らす女の願いと意地をつらぬく男の思い……市井の人々のこまやかな情愛を池波正太郎、宇江佐真理、北原亞以子、佐江衆一、松本清張、山田風太郎、山本周五郎など昭和の巨匠、平成の名手が描き出す、傑作時代小説アンソロジー！
内容説明
江戸の片隅で、ひっそりと暮らす女の願いと意地をつらぬく男の思い。貧しくとも健気に生きる子の姿を見守る親のこまやかな情愛…市井の人びとのさまざまな情感を昭和の巨匠、平成の名手たちが絶妙に描き出した、時代小説アンソロジー！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドナルド@灯れ松明の火
13
江戸の雨アンソロジー4作目。相変わらずいい話を集めている。切ない話が多い。池波さんは既読だが何度読んでも面白い。アンソロジーで選ばれている松本清張は時代小説も凄いと再認識した。山本周五郎の作品は読者にさえ期待を抱かせて最後に失望で終わるという後味の悪さ。まぁこれも当時はありがちな話だが切なかった。2016/01/14
山内正
4
改革の触れで絵もご法度に夫国芳の絵も没収 牢屋や所払いの人も 贔屓の加賀屋が三枚続の絵を描かないか俺に頼まれただけと言えば 国芳に任せると こう見えても臆病なんだ 描けねぇ おせいはずっと臆病者でいてほしい 亭主に物足りなさを思いながら 俺あ絵師になりたかった思い通りの絵を描きたいと 三枚の下絵を広げた 頼まれた武者絵を書く積りが 土蜘蛛の絵になった頼光を悩ませた 加賀屋にこの絵を 馬鹿臆病者の癖に2021/08/12
山内正
3
亭主の国芳は画帳を懐に出ていった この家にきて十数年になる 義母おやすは近頃しきりに腰の痛みを言う 弟子の芳員が家賃の金を頼みに 遠州屋が内密の話だがと 仲間の柳亭種彦が切腹したよと 所で三枚続の錦絵描かないかと ご改革を皮肉ってて冗談じゃねぇ 臆病なんだよ俺はこればっかりは 二人町を横切るとき若い娘とぶつかった 見知りの男達がこの娘吉原に行くとって笑う ご禁制が見付かり所払いになり 働くのは娘だけだと言う 親戚は付き合いを止めると これは? 土蜘蛛だよ 臆病だからなご禁制は掛けないがな2022/05/11
がちゃこ
1
江戸市井のちょと哀しい短編集2014/02/14
いえのぶ
0
江戸の町に暮らす人々の悲しい物語のアンソロジー。池波正太郎、山本周五郎らが収録される。2014/02/14
