内容説明
南町奉行所の当番方与力・栗原平之助は妻の桂から娘・美耶のことで相談を持ち掛けられる。美耶は若衆姿で一刀流道場に通う男まさりの娘だが、その道場に旗本の三男・成瀬慎九郎が現れてから様子に変化が…。ある夜、帰途の成瀬が強盗一味を成敗したことが派手に瓦版に取り上げられた。平之助は成瀬に尋常ならざる翳を感じ取り、手下の陣八にその身辺を探らせることにする。一方、美耶もある思いを抱いて密かに成瀬の屋敷へ忍び込んでいく。
著者等紹介
芦川淳一[アシカワジュンイチ]
1953年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経て、ミステリーやジュニア小説を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文句有蔵
4
そんな死に方したら、美耶はあまりにも可哀想じゃないか!「女は斬らん」どころか、美耶の心をメッタ刺しだ。これで一生美耶はこの男を想って生きていくしかなくなってしまった。なんという結末。……と、すっかり物語に感情移入してしまうほど、出来のいい話だった☆しかしますます紋蔵シリーズに酷似してしまっている。一巻は捕物帖だったが、それでシリーズを張れるほどの力量はないと自覚したのだとしたら、作家としては賢明といえようが、だからといって他人の人気シリーズに便乗するのは如何なものか。しかし面白かった(^-^;)2015/01/22
M2
0
美耶の初恋話はいかにも彼女らしくてよかったけど、京太郎→美耶が前提にあるので先の展開が読めてしまうのが残念。これで京太郎が心を向ける他の女性の存在が出てくるとまた話が面白くなりそうだけど、どうなんでしょうね。決闘の話は登場人物がみんな面白かったけど少し冗長すぎたかも。こっちのボリュームを少し削ってその分3話目に回して欲しかった。3話目が過去の話だけで終わってしまったのがどうにも物足りなくて。2011/06/02