内容説明
東北の小国、岩見藩の家老・佐伯藤之介に見出され、その家に出入りすることになった青年、浦辺玄太は、ある日、佐伯家老から、江戸へ逐電した藩士・日下佐市を連れ戻すよう命ぜられる。玄太にとって佐市は、ともに下士の子として育った幼なじみ。さっそく江戸へ向かう玄太だが、佐市の出奔には、藩の名門である神崎家が主導する治水工事にからんだ「不正」が、不気味な影を落としていた。
著者等紹介
渡辺毅[ワタナベタケシ]
1934年、樺太生まれ。1990年、『小さな墓の物語』で第一回東北・北海道文学賞受賞。その後文学同人「文芸東北」に加わり、執筆活動に取りくむ。1996年、『ぼくたちの日露戦争』(邑書林刊)で第十二回坪田譲治文学賞、2002年、『アプトルヤンペ』で第八回歴史群像大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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