内容説明
貧乏御家人の新見長四郎は、父親が博奕でつくった借金の肩代わりに湯島の煮売屋へ養子に入ることになる。だが店の娘・いねは、根津で下馬酒屋を商う源七を好いており、その源七と長四郎は呑み仲間だった。そんな訳ありを知った香具師の三州らが一肌脱いで仕掛けた「こんにゃくおでん」が大当たり。客がわんさと集まってきたのだが、この入り婿ばなしの裏には御家人株を巡る悪企みがあった…。
著者等紹介
山中公男[ヤマナカキミオ]
1934年、山梨県勝沼町生まれ。学習院大学仏文科卒業。週刊誌編集部、編集プロダクション勤務を経て、長年PR誌の編集に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ううち
1
台詞が多かったな…シナリオを読んでるみたいだった。江戸の会話を楽しむのならいいかも。入り婿がかわいそう…2013/07/21
ソババッケ
1
江戸の特殊な風俗、世界を描いた物語。香具師の三州と願人坊主の蟾蜍坊円治が係る2編の騒動記ともいうべきか。三州のあやつる紋紙棒引や円治のやる大山詣で代垢離など、江戸の世界を実に活き活きと描いている。庶民の娯楽の少なかった江戸の町、現代の目で見れば奇異に映る風体や言動も、当時としてはどこにでもあるごく普通の世界であったのかもしれない。★3.22012/05/22