内容説明
「三冬塾」は入塾待ちもいる江戸の名門私塾。塾頭の瀬川多聞は、弟子三人にゆき遅れの娘も手伝わせて手習所も開き、少々堅物であるが名望もある。だがそんな多聞も、幕府という組織の埓外、政争とは無縁の立場にいるとあれば、昌平校時代からの親友で幕臣の田島にとっては格好のぼやき相手だ。今日も田島は宮仕えの苦労と朋輩の出世をぼやきに訪れた。だがそれが、多聞に若き日の忘れえぬ女との再会をもたらすことに…。
著者等紹介
牧南恭子[マキナミヤスコ]
名古屋市立女子短期大学卒業。1990年、『爪先』(講談社ノベルス)でデビュー。日本推理作家協会会員、日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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