出版社内容情報
江戸の華、人の情け、人の業。時代が変わっても人間が人間であるかぎり変わることない人生の機微が鮮やかにうつし出される。吉川英治の名作短編集第1弾。「野火の兄弟」「吉野大夫」「雲霧閻魔帳」「朝顔更紗」他全5編。
内容説明
「人間のした事は胚子になる、永遠に因となり果となってゆく…」―親子の情、兄弟の絆を鮮やかに映し出す珠玉の短編集。人々が享楽の渇きを求めた寛永期。二代目吉野太夫が一人の職人との出会いを契機に、名も見得も捨て、一心な恋を信じ、ほんとの人間の道を歩もうとする表題作「吉野太夫」。ほかに「野火の兄弟」「雲霧閻魔帳」「朝顔更紗」「梅〓(ばいし)の杖」の四編を収録。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892年、神奈川県生まれ。新聞記者のかたわら小説を発表。雑誌の懸賞小説に入選し、『剣難女難』を「キング」に連載し好評を博する。以後、長編約八〇編、短編約一六〇編という膨大な小説を執筆し、多くの人々に愛読され、国民作家として親しまれる。代表作に『鳴門秘帖』『松のや露八』『宮本武蔵』『新書太閤記』『新・平家物語』『私本太平記』『坂東侠客陣』ほか多数。1960年、文化勲章受章。1962年、没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 中国への公開状