内容説明
勝てば王侯、負ければ地獄―狂風怒涛、激動の株式相場を、血の汗を滴らせつつ、駆け上っていく野村徳七。零細な両替商の二代目から身を起こし、明治、大正、昭和という時代の奔流に挑み、世界のノムラの基礎を構築した、日本の証券王。そこには、数知れぬ苦悩と挫折、そして野望があった。
著者等紹介
梅林貴久生[ウメバヤシキクオ]
1932年、大阪市生まれ。1956年「マキノ奨励賞」、その後「第一回時代映画新人脚本賞」「民放社長賞」(三回)などを受賞。現在、日本放送作家協会関西支部幹事
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感想・レビュー
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メガネ
1
日本を代表する証券会社・野村證券を起ち上げた野村徳七の幼少時代から青年時代までを追った物語です。大阪出身の彼が主人公なので、文章は大阪弁が飛び交っています。幼少期は初代野村徳七(父親)の両替商の仕事を手伝っていましたが、当時から商売の才覚があったんですね。その後、株式売買に興味を持ち、多くの人間と関わる中で、人間性に溢れ、ビジネスとしても成功を収めていきます。非常にパワーあふれる人物です。この人柄は今の野村證券の風土にも引き継がれているような気がします。成功には何が必要なのか。ヒントが一杯詰まっています。2015/06/23
緑色と風
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日本最大の証券会社 野村證券。その創業者野村徳七の半生が描かれている。この時代をともに生きぬいた相場師たちとの葛藤もおもしろいが、兄弟愛が美しい。野村證券を不動の地位にきずいたのは、株でなく、しっかりした債券販売の積み重ねであることは貴重な事実である。