出版社内容情報
世紀末ロンドンはいま、姿無き殺人鬼の恐怖に震え戦いていた。娼婦をめった切りにする『切り裂きジャック』。だが犯人は、おびえた獣のように安宿の隅で震えている。彼の名はアルドゥイーノ、十七歳。パレルモ生まれのシチリア人、菫色の瞳を持つ―怪物。
内容説明
ヴィクトリア女王治下、繁栄を極める大英帝国の首都ロンドン。その街はいま、姿無き殺人鬼の恐怖に震え戦いていた。娼婦の全身をめった切りにする『切り裂きジャック』。だが犯人は、おびえた獣のように安宿の隅で震えている。彼の名はアルドゥイーノ・デッラ・アルタヴィッラ、十七歳。パレルモ生まれのシチリア人、菫色の瞳を持つ―怪物。西洋伝奇の世界を追求する第一人者が描く、新・切り裂きジャック伝説。
著者等紹介
篠田真由美[シノダマユミ]
1953年、東京都に生まれる。早稲田大学第一文学部東洋文化専攻卒。’92年、第2回鮎川哲也賞最終候補作『琥珀の城の殺人』でミステリー作家としてデビュー
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感想・レビュー
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Tetchy
10
本書はミステリ作家ならば誰もが一度は触れたくなるという、いまだにその正体が不明の、1888年のロンドンを恐怖のどん底に陥れた切り裂きジャック譚だが、これは事件の真相を論理的に解明する謎解きではなく、切り裂きジャックをモチーフにした幻想小説といった方が妥当だろう。主人公の一人称で終始語られるこの物語は、作者の独りよがりの観念的な話が延々と続き、その世界観に浸りこめる読者以外にとっては読後の爽快感を得るところとは対極に位置するものだろう。しかし篠田氏は本当に美しい男性が好きなんだなぁ。2010/12/11
みどり
3
確かに、解説に合った通り、ジャックザリッパーをこういう形で描いた作家さんはいなかったよね、と思う。 堕天使、という形が、この作者さんにすごく似合っているとも思う。2021/11/23
千春
0
★★★2008/10/09