出版社内容情報
「ルール工業地帯の上空に敵機は一機たりとも侵入させない」、独空軍総司令官H・ゲーリングは豪語した。しかし・・・・・・。豊富なヴィジュアルと多角的視点から、「第三帝国」上空で6年間にわたって繰り広げられた史上空前の航空戦の実像に迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
植田 和昭
11
ドイツの防空能力の高さに驚かされた。B29相手の日本が苦戦したのに比べ、ランカスター・B17/B24相手の防空は、少しやりやすかったのかもしれないが、連合軍に深刻な打撃を与えていたことを知った。アドルフガーランドの伝記も面白かった。ドイツのレーダーシステムについての解説も興味深い。日本は、敗戦まで射撃用のレーダーは実用化できなかった。機上レーダーについても極めて初歩的なものしか作れなかった。理論物理学が優れていたというが基礎科学の分野では決定的に遅れていた。原爆開発など夢のまた夢であった。2025/06/11