出版社内容情報
時は明治、ほの暗い時代の不思議な話を、作家・泉鏡花が読み解くあやかし奇談最新刊。今市子による描きおろしコミックを収録。
明治34年、秋――早朝。徹夜明けで川のそばを歩いていた編集者・香月と六車は、橋の上に知人の松川が立っていることに気づく。その川辺には美しい女の死体が……。今市子描きおろしコミック『水底の視線』と橘みれいの小説でお届けする、あやかし奇譚!
内容説明
明治34年、徹夜明けの早朝。雑誌『幻想倶楽部』の新米編集者・香月真澄と先輩の六車は、とある橋の上で、疲れきった様子の同業者・松川を見かける。香月が思わず声をかけると、松川はうつろな目で、ある一点を指さした。そこには…川岸の草から見え隠れする、着物姿の女の死体。息を呑む香月たちに、松川は笑いながら告げた。「俺が殺したんだ…!」(Comic『水底の視線』)。取材のため、「呪われた沼」と噂される“妖し沼”を訪れて以来、奇怪な夢を見るようになった香月真澄。夢の中で沼に咲きほこるのは、亡者の顔をした蓮の花。決まってただよう、沈水香の残り香。そんな折、担当作家・泉鏡花から世間で評判の人形芝居に誘われる。上演されたのは、美しい人形による、男女の心中物語。そこで香月が目にしたものは…!?(Novel「からくり仕掛けの蝶々」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
33
自分は幻想的かつ、妖怪登場かつ、浄化ものがすきなんだなと気がつく。今市子作品は高校生の頃、百鬼夜行抄が大好きで何度も読み直した。霊障を与えるものを排除するのではなくて、どこか思いやりを持って次の道へ導くスタンスが、優しくて大好きだということに気がつく。シックスセンスみたいなね。それは和解にも似て、敵を倒すというのとは違うね。作品についていえば、相変わらず今市子先生のコマワリはなんというか、、脳を疲労させます。わかりづらすぎ。2015/08/08
えも
11
本屋で発見、新しい鏡花もの!▼若き鏡花と新米雑誌編集者が妖しの事件を解決する趣向で、コミックとノベルの2作から成っています。それがまた、鏡花小説の風情を醸し出していて、好いですよ▼ノベルの方に出てくる人形使いも、四谷シモンとジュサブローのいいとこ取りの様で、もう、その世界にドップリ浸ってしまいました♪▼他の巻も探さねば。2015/06/21
ぶっく
5
今さんのコミックのみ読了!原作と今さんの作風が本当にあってるな~って思います2014/10/26
夏月
2
漫画は読んでたなぁ。小説は初。どちらも、人を愛して、愛し抜いて、そしてとても悲しい女。生者に幸あれと願わずにはいられない2018/02/24
nono
2
こちらも小説は再録。コミックも絵が変わってきています。残念。2015/07/25