内容説明
慶長19年12月4日夜―。大坂城を囲む寄せ手の総大将、徳川家康は、永年の宿願であった豊臣家討滅を目前にしながら、真田幸村らの夜襲に遭い、あえなく討死してしまう。家康亡き後、総大将となるべきは、徳川2代将軍、秀忠であったが、彼には従来「凡愚」の噂が絶えず、20万をゆうに超える圧倒的な戦力を誇るとはいえ、ほとんどが外様の寄せ手をまとめるには「いかにも非力」と、誰もが危惧する。案の定、豊臣方だけではなく外様有力大名たち、さらには徳川家の内部からも「秀忠排撃」の声があがりはじめた。しかし、秀忠は「凡愚」でも「非力」でもなかった。譜代では気鋭の新世代を率い、外には立花宗茂など天下に鳴り響く有能な士を心服させる「将に将たる」帝王がごとき大器を備えていたのだ。秀忠は、内憂外患の中、その本来の武器で様々な危機を乗り越えていく。
著者等紹介
百目鬼涼一郎[ドウメキリョウイチロウ]
62年、茨城県に生まれる。96年、『鉄甲船異聞、木津川口の波濤』で第6回少年ジャンプ小説大賞特別奨励賞を受賞。05年、『南朝の暁星、楠木正儀』で第11回歴史群像大賞佳作受賞。06年、『戦国武勇伝』シリーズでデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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