内容説明
第一次世界大戦後、秘密裏に軍事提携を結んだ独ソ両国が、やがてヒトラーとスターリンという二人の独裁者に率いられ、あたかも宿命のように激突する。この史上最大の陸戦「バルバロッサ作戦」はいかに準備され、どう戦われ、なぜ失敗したのか?本書は新たな視点で独ソ戦の実態を浮き彫りにし、読者にこの作戦の敗因を問い直すものである。
目次
第1章 同じ乳母に育てられた二匹の怪物
第2章 不可侵条約締結前後の独ソ両軍
第3章 完全なる奇襲―ソ連赤軍最悪の日
第4章 死なない怪物―スモレンスク攻防戦
第5章 ヒトラー対野戦指揮官―戦略の不一致
第6章 キエフ包囲戦とレニングラード攻防戦
第7章 ドイツ軍のモスクワ攻勢「台風作戦」
第8章 冬将軍の到来―失われたドイツ軍の勝機
第9章 スターリンの誤算―赤軍大反攻とその頓挫
著者等紹介
山崎雅弘[ヤマザキマサヒロ]
1967年、大阪生まれ。戦史/国際紛争史研究科家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スカイバニラ
7
1922年の独ソ軍事提携から20年後のバルバロッサ作戦へと至り、ドイツ軍のモスクワ攻勢の頓挫からソ連軍の冬季反攻までの流れと、その背景を描いた本。バルバロッサ作戦時に活躍したドイツ将官の中には、独ソ軍事提携時にソ連へ赴いた人達が結構いたのか。あと陸軍参謀本部と前線指揮官との間で意志統一がなされておらず、これがもとで大きな対立へ到ったりするのですが、この時に両者の調整役がいれば…、いやどっちにしても結果は変わらなかったでしょうね。本書を読んで当時の陸軍参謀総長ハルダー上級大将のイメージが変りました。2011/05/01