内容説明
天皇家の祖神アマテラスとはいかなる神なのか?古代神話が語る「戦う女神」「岩戸ごもりの太陽神」は、やがて「天皇を祟る神」となり、ついには仏と合体して秘儀のための「蛇体本尊」にまで姿を変じていく―最高神の知られざる秘史を読み解く。
目次
プロローグ アマテラスの「秘史」へ
第1章 伊勢神宮創建の深層
第2章 祟りなすアマテラス
第3章 内侍所神鏡という謎
第4章 本地垂迹から蛇体の神へ
第5章 江戸と明治のアマテラス
エピローグ 「パワースポット」の彼方へ
著者等紹介
斎藤英喜[サイトウヒデキ]
1955年生まれ。宗教学者、神話学者。日本大学大学院博士課程満期退学。佛教大学歴史学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
16
記紀神話から変遷してゆくアマテラス。神とは鏡であり、人を映すものなのだ。2014/08/29
風竜胆
5
アマテラスの各時代での変貌は、それぞれ一冊の伝奇小説が書けそうなくらい変化に富んでいる。また、古代史的にも宗教的にも、民俗学的にも、多くの研究材料を与えてくれそうだ。しかし、まだまだ謎は残されていそうだ。本書は、そんなアマテラスの知られざる姿を示すことにより、極めて知的な刺激を与えてくれる。 http://blog.livedoor.jp/magic55girl/archives/1676349.html2012/09/17
Jonec
2
同著者のスサノヲの本を読んでこちらも。二冊を通して読んで中世人の創作感覚、何が重要なのか、問うようなものがおぼろげながらも分かった感じがする。現代人が持っている神へのイメージが非常に断片的で、且つ新しいものであることがわかる。「牽強付会の説」といえばそれまでだが、中世人の作り出した話の面白いこと。それだけを抜き読みしても面白い本だった。 文章は読みやすいが、やはり新書であるため、原典のレファレンスはちょっと見づらい(が、参考文献が丁寧なリストになっているのはありがたい)。2012/09/17
まあ子
1
天照大神の文献中における変遷をたどった本。最高神や祟り神、最後には仏に変貌する。2015/01/08
明智紫苑
1
一般的には女神とされるが、男神説もあるアマテラス。「なぜ『女神』なのか?」、例えばキリスト教における聖母マリア崇拝と比較するなどして、アマテラスの「ジェンダー」についての考察もあれば良かったのね。2013/12/23