内容説明
幻の名ガイドブック復刊。文壇の重鎮と歴史学の碩学が綴った奈良再発見の旅。
目次
第1章 奈良(春日大社―藤原氏の威光で栄えた石に宿る神さま;地獄谷の石仏―仏の浄土をあこがれた庶民の死体の捨てどころ ほか)
第2章 西大和路(霊山寺―善男善女あいての温泉経営がうまい;生駒山と信貴山―「性の悩み」に霊験あらたかな聖天さん ほか)
第3章 東大和路(石上神宮―この世に現われたまぼろしの宝物庫;山ノ辺の道―古代大和を南北につなぐ山麓の小径 ほか)
第4章 飛鳥・吉野(大和三山―ラクダもいた日本最初の大都市;飛鳥の里―帰化人の頭脳を活用した蘇我氏の本拠 ほか)
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年、福岡県生まれ。52年発表の『或る「小倉日記」伝』で第28回芥川賞を受賞。56年に朝日新聞社を退社後、推理、歴史、社会小説など多岐にわたる分野で活躍。67年に吉川英治文学賞、70年に菊池寛賞を受賞。92年逝去
樋口清之[ヒグチキヨユキ]
1909年、奈良県生まれ。32年國學院大學文学部史学科卒業。静岡県の登呂遺跡の発掘を行ない、考古学者・歴史作家として幅広いジャンルで活躍。ベストセラーの『梅干と日本刀』など著書多数。73年に紫綬褒章受賞。97年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
63
旅行の面白い手引書になることを第一として書かれたそうであるが、まさにその通りの内容。普通の旅行ガイドとは完全に趣きを異にしており、紀行文の趣きが強い。それに切り口が斬新。例えば、東大寺の大仏が造られた理由であるが、「聖武天皇が民を災いから救済し、民衆の不満を和らげるため」に造られたと思いきや、「聖武天皇の富と権力の象徴。天下の富勢から人民までもが天皇の私物と考える専制思想」のもとに造られたと述べている。このように読み物としてもとても面白い一冊だった。2019/01/06
紫羊
10
随分と贅沢なガイドブック。上質な紀行文学として味わった。2019/02/03
路地裏のオヤジ
5
旅行ガイドブックらしいが、奥深い内容で読み応えがある!確かに買ってもよい。2019/11/14
かよちーの
3
松本清張が書いた奈良の本。書き手がうまいと興味深いですね。2011/08/21