内容説明
現世での執着、成し遂げられなかった想い…こうした悲哀はもとより、寺をあずかる住職にとって霊的現象は他言できない秘密。その堅く閉ざされた口から明かされた恐怖の体験談!哀しくて怖すぎる門外不出の14篇。
目次
魂が宿った人形
貸金庫から出る白い腕
納骨堂の来訪者
本堂に封印された怨霊
憑依された青年
沢の古民家
大阪、一心寺にて
死を刻む腕時計
遍路装束で這う女
葬儀ビデオ鑑賞
首吊り松の祟り
丑の刻参りの女
霊が棲む寺での対話
旧車のパンク
著者等紹介
高田寅彦[タカダトラヒコ]
1954年大阪生まれ。ノンフィクションライター。埼玉県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kao
11
値段の割に、結構中身濃いです。怖がらせて頂きました。お寺はやっぱり怖い……。2014/11/14
クナコ
9
初読。今年は旅行へ行けず、寺社仏閣巡りもできていない。そして夏といえば怪談。一石二鳥。寺院にまつわる怪談14話。表紙のチープさに反し内容は硬派。語りが著者の一人称形式なのでいささか客観的な視点からは遠のくが、基本的に当事者本人や縁者からの実録。「新耳袋」より1話1話の内容が濃く、一応の結末まで語られている。一心寺の話が凄まじいインパクトを残した。通常時代が遡れば遡るほど読み手の心理的距離感が遠のき印象も朧げになるものだが、やはり戦時の話には強烈な因業の引力がある。距離が遠くなるまであと何年かかるだろうか。2020/07/21
buchi
6
ほんと表紙で損をしている一冊。ちゃんとした装丁の文庫本で出せばよかったのに。 内容はすごく良いし、怪談好きにとって、お坊さんたちがどういうスタンスで霊魂というものに接したり臨んだりしているのかという疑問も晴れるし。これ他のシリーズあったら絶対に読みたい。2015/01/14
Kavi
4
偶然、一心寺に行く前日の夜に、この中に納められている「一心寺」に纏わる戦時中のむごい話を読む。本を閉じて眠ろうとすると家じゅうからラップ音がする。眠り始めたら強烈な金縛りが何度も襲う。久しぶりに恐ろしい夜だったわ。この表紙のデザインは、著者の意図を無視してるように思うわ。煽りすぎ。2015/06/15
大
3
読み応えのある怪談集でした。「丑の刻参りの女」、ベタな藁人形の話ですが、事の顛末までしっかり描かれており、印象に残る一話でした。心霊との対話を図る住職の話も興味深く読ませていただきました。2016/10/06