内容説明
虐待された子どもたちは心だけでなく、脳の発達にも障害が生じるという。そのために例えば自閉症児と極めて似た症状や問題行動に苦しむ子どももいる。著者は多くの重篤な被虐待児の治療にかかわる中、このような精神医学的知見に達した。これは子ども虐待と発達障害の関係を探るという今日的な緊急課題でもある。この分野の世界的な研究者で臨床医である杉山登志郎先生が臨床例や研究から分かりやすく紹介する。
目次
第1章 発達障害としての子ども虐待
第2章 反応性愛着障害と子ども虐待
第3章 解離という現象と子ども虐待
第4章 高機能広汎性発達障害と子ども虐待
第5章 多動性行動障害と子ども虐待
第6章 子ども虐待の終着駅―解離性同一性障害と複雑性PTSD
第7章 子ども虐待が脳に及ぼす影響
第8章 被虐待児への包括的ケア(1)心理アセスメント
第9章 被虐待児への包括的ケア(2)子ども自身へのケア
第10章 家族へのケア
第11章 子育ての未来
著者等紹介
杉山登志郎[スギヤマトシロウ]
あいち小児保健医療総合センター保健センター長兼心療科部長。1951年、静岡県生まれ。久留米大学医学部卒業後、静岡県立病院養心荘勤務、愛知県心身障害者コロニー中央病院精神科医長などを経て、86~87年、アメリカUCLA神経精神医学研究所に留学し、自閉症の研究に従事。またこの間にユング派分析家シュピーゲルマン博士より教育分析を受ける。帰国後、名古屋大学医学部精神科助手、静岡大学教育学部教授を経て、01年より現職。専門は児童青年精神医学。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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