出版社内容情報
宮川竹次郎と名のる、その役者が語る昔話。それは戦時中の満州から日本に帰還した役者たちが、平家の落ち武者の村で公演した「一ノ谷」だった。村の芝居に込められた村人の思惑、そして村のおぞましい歴史、そして大団円に待ち受ける屋台崩しとは?
内容説明
“さて、この腕の由来だが、これは女の義手じゃねぇ。水白粉を塗り込んだから、こんなに白くなっちまってるが、男の、いえ、女形が舞台で使っていた腕なんだよ”―マウンテンバイクで一人旅をする青年が、ふとしたことから知り合った老骨の旅役者。その昔語りは、七十年の時空を超え、怪しく恐ろしく、やがて哀しい愛と業のドラマだった!第3回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞作。
著者等紹介
長島槇子[ナガシママキコ]
東京生まれ。東洋大学在学中、劇作家伊野万太(主宰)らと、『劇団インカ帝国』を旗揚げ。十余年にわたって演劇活動。後、脚本家としてデビュー。オーディオドラマ『原型』『自白』『環状線上のワルツ』などをオンエア
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
41
マウンテンバイクで旅をしているストリートダンサーの青年に元旅芝居役者の男が自分の経験を語るという形式での、戦前から戦後の満州での出来事、帰国後の出来事が怪談も交えながて物語は進んでいく。吉原で育った幼馴染3人の不器用な一種の悲恋物語。歌舞伎等の知識は現代の青年に老人が説明するという方法で読者にも説明してくれる。2019/07/02
ジジ
2
嫌いじゃないですよ! 妖しくて哀しくて。不思議な雰囲気を楽しみながらちょっとぞぞっとしたりもして。昭和、ってほんとに激動の時代でしたね。2016/08/06
G-R
1
浄瑠璃の筋がよく分からず、あまり楽しめなかった。2017/09/27
猫町
1
以前「幽」ブックレビューで面白そうだと思い購入したのをやっと読了。戦前戦中の旅芝居にまつわる怪談が色々と語られるのかと思ったら、気がつけば永い因果の怨恨話に巻き込まれている。現代と昔を取り違えそうな不思議な感覚を楽しめた。2012/05/01
角
0
L2011/03/09




