出版社内容情報
中学生の息子の登校拒否をきっかけに、東京の病巣を脱出し、はるか南の「徳之島」に引っ越した一家がスローライフで笑顔を取り戻した。自然、人々の暮らし、長寿の島の秘訣、スローフード…「スローフード」に詳しい作者が鋭い視点で綴るエッセイ。
内容説明
遙か南の島へ東京から引っ越した著者一家が島で知った「本当の贅沢」とは―。食環境ジャーナリストの著者が鋭い観察眼で島の魅力を綴るノンフィクションエッセイ。
目次
おばあちゃんの生まれた遙か南の島
牛一頭まるごと牛鍋の祝宴
海と風、青空とハリセンボン
まるで犬のように牛を散歩させる島の人たち
長寿にいちばん近い島
島のスローライフ、スローフード
島の家を探す
結婚十七年目の恋?
夢を語って未来があった
島は食のパラダイス〔ほか〕
著者等紹介
金丸弘美[カナマルヒロミ]
1952年生まれ。佐賀県唐津市出身。食環境ジャーナリスト。全国の農村を取材し、農業、食材、環境問題などのテーマに取り組み、著書や講演などで、環境にやさしい農業を応援している。ニッポン東京スローフード協会設立発起人の一人で、生産者セクション代表
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感想・レビュー
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やすらぎ
130
都市生活から離れて自然の中で暮らしてみたい。皆が憧れるスローライフ。「ゆらしぃ」とは奄美諸島徳之島の言葉で「ゆっくり」という意味。青、蒼、碧、あおの世界が広がる。清風が鱗雲のような白波を立て、煌めく波間に時間を忘れる。季節の移ろいに逆らえないように、気持ちも自然と風に靡いている。また遊びにおいでね。送る側の瞳、送られる側の背中に。ひこうき雲は消えてしまうから。昼の光が強いと見えないものが、夜の光なら見えることもある。星の数ほどの人生があるんだな。そんな風景を想像するだけでゆらゆらと晴れわたり軽くなる心地。2019/07/09
punyupunyu
2
豊かな自然の中で、人間らしい暮らしが営めるのは最高の贅沢なのは間違いない。農業を通じた自給自足、田舎暮らしと同様、はたして暮らしてゆけるのかと言った経済的な不安、子どもの将来の可能性を考えたときに正解なのかと言った不安がありますがやはりあこがれます。地域の暮らしになじめるか、入り込めるか、その人の人柄、バイタリティに依るところが大きいと思います。あくせくと働く生活の中でスローライフへのあこがれはつのるばかりです。「子どもたちに健康な未来を手渡すこと。」大切なことだと思いました。2014/02/09
Michiko
0
思ったのと違ったけど、のんびりって言うのは時間や仕事ではなく心の問題。2016/08/27
Ms.H
0
奄美の徳之島に移住した食環境ジャーナリスト一家が出会った、食・人・暮らし…地産地消が人々の住環境(心の安定も含め)を守る手段なのかもしれません。しかし、犬の散歩をする人はなく、牛の散歩が当たり前だとはびっくり!?2010/01/04