出版社内容情報
1902年日英同盟が成立。日本海軍の協力を得て、イギリスは第一次世界大戦における国家の存亡を乗り切った。その後の日本は外交・軍事において傲慢で狡猾な策動を弄し、イギリス、中国、アメリカなどの列国の不信感を増大させ、国際的に孤立していった。
内容説明
日英同盟にみる日本外交の栄光と凋落。元外交官による10年にも及ぶ資料発掘の成果。
目次
第1章 日英同盟の誕生(国運をかけた外交戦略;欧州の戦火と日英外交の角逐 ほか)
第2章 地中海遠征(「有史以来の壮挙」;海の覇権 ほか)
第3章 マルタ島の日本海軍(榊の殉難;マルタ島の基地 ほか)
第4章 日英同盟の総括(パリ講和会議と国際連盟;「虚ろな友情」 ほか)
著者等紹介
関栄次[セキエイジ]
1929年沖縄県に生まれる。本籍茨城県。1953年東京大学卒業、外務省に入る。ザンビア大使、駐英特命全権公使、ハンガリー大使などを歴任し、1992年退職。企業顧問などを経て、現在ノンフィクション作家
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感想・レビュー
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Meistersinger
3
日露戦争後、中国大陸での利害対立で英側から対日不信が募り(連邦内の豪・NZの恐怖も)、日英同盟は衰退へ。第一次大戦での対日参戦要請も太平洋での独艦牽制の内容をめぐり英国は右往左往してしまう(中国大陸での日英共同の地上戦も余り協調的でない)。地中海派遣艦隊の活躍にも関わらず、大陸での日本の行動のため英国の嫌悪は止まらない(英国側は同盟への未練はあったが、日本は大陸でのフリーハンドを求め廃棄へ動いてしまう)。一方、米国は太平洋と中国での権益を巡って英国に接近を始め、ワシントン条約で日英同盟は消滅してしまった。2015/08/20