出版社内容情報
前髪の残る美少年「若衆」は、なぜ江戸の女性達を熱狂させたのか。女装した少年を抱く男装した女性、またあまりにも積極的な江戸の女性の求愛。しかし江戸の女性たちが若衆に求めたものは、本当は何だったのか?江戸の女性の性愛を若衆を軸として読み解く。
内容説明
美少年が好き。江戸時代、女たちが溺れた奔放な性の世界を読み解く。
目次
第1章 江戸女を熱狂させた少年たち(前髪のある美少年;男装の踊子と女装の若衆 ほか)
第2章 倒錯する性の魅力を持つ少年たち(若衆歌舞伎;名女方・初代吉弥 ほか)
第3章 色を仕かける江戸女(上方の若衆;三人取組・上方版 ほか)
第4章 若衆のその後(湖龍斎『欠題組物』;若衆は庶民の日常へ ほか)
著者等紹介
田中優子[タナカユウコ]
1952年横浜生まれ。法政大学大学院博士課程修了。同大学第一教養部教授(近世文学)
白倉敬彦[シラクラヨシヒコ]
1940年北海道生まれ。早稲田大学文学部中退。フリーの編集者として、長年美術・浮世絵関係の企画・編集に携わる
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感想・レビュー
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なおこっか
1
あ、田中先生の本だと手に取ったら、文学からではなく春画からのアプローチでした。もそっと文学絡めて欲しかった、かも。以下メモ→「かわいい」は多分に「いとおしい」の意。女が男に対してばんばん使う/優男、若衆は性的対象にも関わらず、絵に描かれる際身体性が薄い/若衆は遊女と対をなす、女にとってのファンタジー。→しっかし、絵そのものが風俗を反映してると前提していいものか。絵師さんの妄想ってことはないのかなー。2015/09/22
nari
1
江戸の女性の若衆(ここでは女装の美少年)好みについて言及。さまざまな春画とともに実例が挙げられるので、そちらにもそれなりに興味津津。ただ着衣のままの、というものが多くて、江戸の人は裸体そのものにあまり劣情は抱かなかったのかとも思う。2009/10/25