内容説明
13世紀初頭、女真族の国・金の領土である山東半島に、大規模な農民反乱が発生した。反乱軍を率いる楊安児の妹、楊妙真は白銀に輝く槍・梨花槍をあやつり、その勇名を敵・味方双方に轟かせていた。戦いのさなか兄を失った妙真は、みずからリーダーとなり、果てしない戦闘の日々へと突入する。圧倒的な劣勢にもかかわらず、彼女を戦場に駆り立てたものは、いったい何だったのか。中国の歴史に埋もれた女性英雄伝説をはじめて小説化。
感想・レビュー
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星落秋風五丈原
13
頃は13世紀初頭、場所は中国の山東半島。女真族の建てた国「金」。「金」は皇族や貴族を捕え、なおも女真族がやって来る前に支配していた山東半島を縦横無尽に駆け回る楊安児とその妹楊妙真は、漢人反乱勢力として一目置かれる存在に。ところが兄楊安児がだまし討ちのような形で非業の最期を遂げる。金の将軍である僕散安貞を仇と狙う楊妙真に李全という若者が接近する。女性ながら槍を巧みに遣う楊妙真は、中国版巴御前といったところ。人間の半分は女性なのに中国史には女性がほとんど登場しないという著者の 見付け出してきたアンチヒロイン。2000/05/15