出版社内容情報
【ユニバーサルデザインの考え方に、デザインの視点からふれられる一冊!】
だれもとりのこさない、ユニバーサルデザインの書体を作り続けたい――。
同じ考え方のもとに、雰囲気を合わせてデザインされた文字の集まり「書体」。
「UDデジタル教科書体」のデザインを手がけた著者の、限りない挑戦を描きます。
今日では教科書や、ニュース番組のテロップなど、幅広いシーンで使われるようになった「UDデジタル教科書体」は、弱視の人や、読み書きに困難さのあるディスレクシアの人など、当事者の声を丁寧に聞いて作られました。その制作にかけた期間は、なんと8年。
長い年月をかけてでも「絶対に完成させたい」と挑戦し続けた書体デザイナーである本書の著者・高田裕美さんには、「だれもとりのこさない書体を作り続けたい」という、強い思いがありました。
完成した書体は、読み書きに困難さのある人にとっても、通常学級の人にとっても「読みやすい」と感じてもらえるものになりました。
学校の調べ学習などでも耳にするようになり、子どもたちにとっても身近になった「ユニバーサルデザイン」の考え方に、デザイナーの視点からふれることのできる一冊です。
話題の著者による、初めての児童書となる本書は、お子さまのひとり読みはもちろん、親子でも楽しんでいただけます。
[はじめに より抜粋]
わたしは、「書体デザイナー」の仕事をとおして、「ユニバーサルデザイン」という考え方にふれることができました。そして、さまざまな困難や不便を感じている人も、いない人も、みんなが話し合って、みんながより幸せになる方法を考えようという姿勢を学んだのです。
この本をつうじて、だれもがみなちがうことや、ひとりひとりが大切な存在であることを感じてほしいと思います。そして、読んだ後に、「あなたらしさ」に自信をもち、周りの人の「その人らしさ」を、認められるようになってもらえるとうれしいです。
【目次】