出版社内容情報
これはまさに、「都会のシートン動物記」と呼ぶべき書籍! 「自由気ままに生きている」と思われがちな、のら猫の平均寿命は、飼い猫の3分の1~5分の1程度の「3~5年」。様々なのら猫たちの運命を、あたたかな、しかしシビアな目線で描いた、感動の1冊。
内容説明
「のら猫は自由で気まま」…は本当?野生より過酷に生きる、街の猫たちの物語。
著者等紹介
なりゆきわかこ[ナリユキワカコ]
東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あじ
27
【児童書・中学年以上から】人間のエゴで使い捨てにされた猫、子育てに奮闘する孤立無援の母猫、譲渡会で不人気の猫……。そこに関わる人間たちの実情を絡めながら、現状を生きる野良猫を広域に描いた連作短編だった。猫に心の裡を語らせながら、子供の琴線を爪弾く流れが巧かった。児童書には猫を題材にした小説や絵本の新刊が思いの外多い。そんな中で一年ぶりにおすすめできる作品に出会った。 2024/08/19
レア
14
野良猫の世界がこんなにも過酷だったなんて😢虐待をする人間、身勝手な理由で捨てたり飼育放棄する人間、悩み苦しみながらそれでも猫の為に奔走する人間、未熟ながら一生懸命猫に歩み寄ろうとする人間、猫より先に逝ってしまう人間…色んな人間と猫たちの生き様に涙なくして読めなかった。“猫は死期を悟ると身を隠す。それは違う。生きるために身を隠していただけだ。猫は最後まで生きる努力をしている/外の暮らしに慣れない飼い猫が捨てられて生き残る確率はかなり少ない/生まれて死ぬ。ただそれだけだ。あとはおまけさ。そうだよな、クロ”2024/09/29
Mayuko Kamiwada
6
外の世界で生きる野良猫たちの連作短編小説。7編のお話があり、お話ごとに野良猫の境遇が違う。野良猫は危険な外の世界で生活するため寿命が短いことは理解はしていた。けれど車だけでなくカラスや食べ物、心無い人間など危険で満ち溢れている。一日一日生きるのに精一杯だということが伝わってきた。全ての猫を飼うことは困難でも、少しでも力になることはないか考えて行動するところから始めていきたい。まずはこの本を通して現状を知ることだと思う。2025/03/17
いなこ
3
色々な境遇の猫たちの生き様を代弁したように物語る。のら猫たちの世界はシビアで、また飼い猫になったとしても人間の事情により過酷なこともあると知る。その猫たちに向き合う人間は三者三様。接したい気持ちがあるのなら、命あることを受け止めて、そうでなければ、安易にその領域を脅かさないことがいいのかもしれない。2024/10/15
いと
3
★★★★☆2024/08/19