出版社内容情報
あまりの悪童ぶりで妖精に小人にされたニルスだったが、動物たちと旅を続けるうちに、しだいに人間としての成長をみせはじめる。ガチョウのモルテン、ハムスターのキャロット、ガンのアッカ隊長……それぞれの物語にも、胸が熱くなること間違いなし!
内容説明
試練、信頼、そして決断。主人公ニルスの旅は続く。迫りくる恐怖、待ち受ける試練、ニルスの選択は!?
著者等紹介
ラーゲルレーフ,セルマ[ラーゲルレーフ,セルマ] [Lagerlof,Selma]
1858~1940年。スウェーデン生まれの女性作家。1909年、女性として初めての、ノーベル文学賞を受賞。1906~07年に発表された『ニルスのふしぎな旅』は、ラーゲルレーフの代表作
吉田順[ヨシダジュン]
千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。著書に、『浅田真央~さらなる高みへ』(学研)ほか。映画『ゆずりは』脚本が2018年鑑代表シナリオ集8作品の1つに選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マツさん
7
倫理観や人間の矛盾など沢山の気づきをニルスの旅を通じて学ばせてくれます。100年前の作品ですが全く色褪せない内容で、ノーベル平和賞受賞も頷けます。我が子にも読んでほしいのですが……彼らはまだ項をめくりません(涙)次巻へgo2022/01/16
遠宮にけ❤️nilce
1
イタズラ小僧にうんざりするニルスに、キャロットが「昔の君はあんなもんじゃなかった」と言うが、ニルスは殆ど自覚が持てていなかった。小人になり、やられる側に立ってさえ過去の自分の行動を見つめられないのがリアル。「人の振り見て我が振り直せ」は自分を客観視できない段階では難しい。それでも、もの言えぬ動物に対する人間の無自覚な横暴さを目の当たりにする中で、ニルスは自らのこれまでを振り返るようになっていく。見えていなかったものの多さに途方に暮れ、自分が変化できるか信じきれないニルスの気持ちがよくわかる。