出版社内容情報
ユーイング肉腫で右足を切断した成瀬颯斗は、窓に映った自分の姿に絶望する。「これが…僕?」。友人との距離を感じ、ないはずの足の痛み(幻肢痛)に悩まされる颯斗。そんな彼を救ったのは一本の板バネ(陸上用義足)だった。感動的なパラアスリート小説。
内容説明
ユーイング肉腫で右足を切断した陸上部の成瀬颯斗は、窓に映った自分の姿に絶望する。「これが…僕?」学校に戻っても、クラスメイトとの距離を感じる。ないはずの右足の痛み(幻肢痛)に悩まされる。そんな彼を救ったのは、一本の板バネ(陸上用義足)だった。颯斗が再び全力で走る日は来るのか?最も感動的なパラアスリート小説が誕生した!
著者等紹介
山下白[ヤマシタハク]
1968年生まれ。神奈川県出身。会社員としてドラマの演出を手掛けたのち、脚本家・ジェームス三木の紹介により休暇を利用して舞台脚本を書き始める。小説原案は『ギソク陸上部』が初めてとなる
舟崎泉美[フナサキイズミ]
小説家、脚本家、映画監督として活躍中。『ほんとうはいないかもしれない彼女へ』で、第1回本にしたい大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
79
YA。ユーイング肉腫を発病し右足を切断した成瀬颯斗(なるせはやと)は中学2年の新学期から学校に復帰した。走ることが大好きで陸上部で活躍する事を望んでいたが、無理をして転んでしまう。周りの目が気になり、同情されることを負担に感じた颯斗は陸上部を退部した。義肢装具士の近藤さんに誘われ、パラスポーツの陸上大会を見学した颯斗はバネ板を装着してはしる選手を見て、自分も走りたいと願う。陸上クラブに入り懸命に練習をする。同級生の川村咲(かわむらさき)は、事故で足を切断した弟と共に颯斗を応援する▽青春スポーツ小説。良本2022/07/21
けんとまん1007
63
とても考えさせられる。読み方次第で、いろいろな受け取り方ができる。爽やかな青春ものがたり・・・ギソクが持つ印象への視点・・・心・生き方のバリアフリーとは・・・と、深さも広がりも違う。自分は、心・生き方のバリアフリーを考えた。それは、双方にある得るのだということ。環境次第で、随分と変わりうるのだということ。思いを持つことの強さ・しなやかさを考える。2022/09/09
茉莉花
43
陸上部に所属している中学1年生の成瀬颯斗は、日本で1番の選手となり、オリンピックの舞台で日本にメダルを持ち帰るという誇らしい夢があった。しかし右の足首に違和感を感じるようになり、それが颯斗の運命を狂わす。痛みの原因は腫瘍だったのだ。右脚は切断し義足生活に。リハビリをし学校生活を送れるようになったが、義足になったことでかわいそうな子としてみられ、戸惑いや同情の目を向けられる。そして、遊んでいても自分だけが気を遣われている状況にモヤモヤし…。2023/01/13
たまきら
38
初めて陸上競技用の義足を見た時の感想は「かっこいい」だった。まるでウサギかチーターのような、地面につく部分が極端に少ないデザイン。この清々しいティーンズ小説の何が良かったって、この義足の履き心地についてとても詳しく書いてあったところです。そう、もちろん慣れるまではすごく走りにくいよね…。競技を楽しんでいた頃の、あの一瞬なのに永遠に心に刻まれている数秒間が追体験できました。…足を切断した友人は、足のお葬式をしました。色々手続きも大変なんだそうです。2024/12/22
Roko
30
パラリンピックのときにパラアスリートが注目を浴びることはあっても、普段のスポーツニュースなどで彼らが取り上げられることは少ないです。もっともっと彼らの活躍や功績をみんなに知って欲しいです。地域の小さなレースなども、より多くの人の目に触れるようになればいいなと思います。そうしたら、これまでスポーツに触れることがなかった人もやってみようと思うかもしれません。身体に障害があってもスポーツができるんだってことに、みんなが気がつけたら、それが本当のバリアフリーな社会の第一歩なのだと思います。#NetGallyJP2022/04/13
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