出版社内容情報
アメリカで紙幣にとりあげたい女性の偉人1位に選ばれた、元奴隷ハリエット・タブマン。過酷な少女時代を過ごし奴隷主から逃亡。その後、秘密組織「地下鉄道」の一員として、多くの奴隷を救った彼女の生涯を描く。不屈の精神で、自由を追い求めた闘いの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天の川
47
市の図書館にハリエット・タブマン関連の本が児童書しかなかった…。逃亡奴隷で、「地下鉄道」の「車掌」として奴隷達を逃がし、南北戦争では北軍の諜報員として奴隷解放のために戦い、老いては黒人のための施設建設に努力した女性。何という不屈の闘志と献身か!「地下鉄道」を運営する側の話を読んでみたかったけれど、児童書なので、オブラートで何重にもくるまれていて…。府立図書館で大人向けを借りようと思います。とは言え、子どもたちに読んでほしいな。ハリエット・タブマン、2030年から20ドル紙幣の肖像になるそうです。2020/08/05
はるる
9
BLMについて、???という子どもたちに読んでもらおうと思い購入したが、私自身、ハリエット・タブマンについてほとんど知らなかった。児童書なので奴隷の実情についてはオブラートに包んであるが、それでも悲惨な泥沼の中から美しい花を咲かせる蓮のような、彼女の精神の強靭さ、信仰の清らかさは十分に伝わってくる。池田まき子さんの感傷的に過ぎない抑制の効いた真摯な語り口も、また好感がもてる。2020/11/06
鳩羽
8
ほんの200年ほど前、アメリカに奴隷がいた頃、一人の黒人女性が自由を得るための戦いに身を投じた。自らも奴隷で、子供の頃から家族の元から離され働きに出されていたハリエット。彼女は、厳しい労働や暴力の後遺症に苦しめられながらも、逃亡する意思を固めて、やがて本当に逃亡する。そして、奴隷を北部へ流す地下鉄道の組織の一員となり、多くの逃亡奴隷たちを助けた。そんなハリエットの一生を描いた伝記だが、手の届く範囲でできることをきっちり行なっていくこと、信念を持ち続けることがすごい。2019/07/10
tellme0112
8
外国人収容所のことを思った。これ、決して昔の話ではないよな。人間扱いしてないところ、家族バラバラにされるところ、抗議のハンガーストライキ…。「車掌」や看護師としての活動ももちろん勇気あることだが、その後のより困難な中にある人たちのためになげうってる姿が素敵だな。2019/06/26
アーサー
3
元奴隷、黒人女性ハリエット・タブマンの伝記。 アメリカの歴史や奴隷については、表面的なことしか分かってなかったのかもしれない。人間が人間を売買する、家畜のような扱いをする・・・どうしてそんなことができるのか?人種差別は未だに根深くあるが、ナチスも然り歴史から学び繰り返してはいけない。 前に読んだ本にも地下鉄道のことが出てきたが、こちらはより理解しやすい。2021/07/20