出版社内容情報
大きな禍が起こるという逢う魔が時に、子どもたちのまわりで起こる５つのふしぎなお話。そのとき彼らは……。
４年生の洋介は、自分が太鼓をたたく発表会に母が来られなくなったことを知って、家を飛び出してしまう。むしゃくしゃしながら歩いた道の先は、来たこともない空間だった。逢う魔が時に、子どもたちのまわりで起こる５つのふしぎなお話。
【著者紹介】
広島市生まれ、広島市在住。「雪の翼」で第２０回ゆきのまち幻想文学賞長編賞受賞。著書に『雪ぼんぼりのかくれ道』（国土社）。日本児童文芸家協会会員。天の川同人。
内容説明
夏休み、麻子は祖母の家のうらの森に足を踏みいれた。行っちゃいけないといわれていた森だった。太陽はしずんだけれど、まだ明るい。ハスにおおわれた池で花をつもうとした麻子の前に、とつぜん少女があらわれる。少女との出会いによって、麻子がそれまで知らなかったことがつぎつぎと明らかになって…（第二話・白い月）。逢魔が時に起こる五つの不思議なものがたり。
著者等紹介
巣山ひろみ［スヤマヒロミ］
広島市生まれ。「雪の翼」で第２０回ゆきのまち幻想文学賞長編賞受賞。著書に『雪ぼんぼりのかくれ道』（国土社）。日本児童文芸家協会会員。天の川同人
町田尚子［マチダナオコ］
絵本作家。東京生まれ（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ままこ
88
町田さんの幻想的な雰囲気のある表紙に惹かれて手に取った作品。逢魔が時に現れる摩訶不思議な異界に通じる道。ふいっと現れる妖しげな者たち。この道に迷い込んだ子供達は元の世界に戻れるのか…。『ぬけ道』どろだんごにはされたくないな。小僧のいたずらにはまめ河童も災難だったけどなんか笑えた。ちょっと怖くて切なく不思議。ひんやりしてるけど温かみもある連作短編集。2018/10/28
ポチ
48
そういえば子供の頃は夕暮れ時がちょっと寂しく心細かったなぁ、と懐かしく思い出しました。2018/11/16
よこたん
47
“イールコイラヌコ イラヌカイールカ” 夕暮れ時の、去っていく明るさと訪れる暗闇がもやもやと混じり合う空間に、足を踏み入れたとき見えたもの。ひょっこりと顔を出すのは、異形のものや、どこか懐かしい匂いをまとった人の姿。さみしかったり、悔しかったり、心にさざ波の立つ時にしか、入り込めない場所。あの時言えなかった思いが、ほろりと口からこぼれ出す。彼岸花、蓮の花、桜の花。花はきっと覚えているよ。５つのお話がくるりとまとまって、嬉しい。“では、お代のかわりに、お兄さんにどろだんごになってもらいます”って、怖っ！2021/08/12
ヒロ＠いつも心に太陽を！
31
怪談絵本『いるのいないの』で絵が印象的だった町田尚子氏の表紙絵に惹かれて｡太陽は沈んだけれどもまだ空には明るさの残る昼と夜との境目の時間｢逢魔が時｣に起こった不思議で少しだけぞくりとするお話たち｡物語と絵がぴったりと合い､よりこの逢魔が時の世界を深いものにしてくれている｡みんなこちらに戻ってこられてよかった｡ちなみにいつの間にか読みながら眠ってしまっていて､はっと目覚めたのは18時40分｡まだ空が明るかったからそんな遅い時間だとは思わずびっくりした｡そして気づけば逢魔が時に読了･･･これも何かの縁？2013/06/08
小夜風
23
【図書館】｢いるのいないの｣の町田尚子さんの描く表紙に惹かれて…。昼と夜とがじわりと入れかわっていく｢逢魔が時｣にふと、あちらとこちらが交わる。そんな不思議なお話が５つ。出てくるどの子どもたちも何かしら心に闇を抱えていて、母親目線で読むと胸が締め付けられます。でもみんなそれぞれ少し不思議な体験をして、乗り越えていくのが良かった。児童書だけど大人でも楽しめると思います♪2014/10/15
