内容説明
ニホンザルの研究をしていた島泰三先生に、とても不思議な姿のサル、アイアイを撮影する仕事が入った。密林におおわれたマダガスカルの無人島に、いさんで乗りこむ先生を待ち受けていたのは、いまだ解明されていない人類についての大きな謎だった!さあ、ドクトルアイアイこと島先生といっしょに、謎解きの旅に出かけよう。
目次
アイアイに出会うまで
無人島は夢の生活
アイアイの謎
アイアイの謎を解く
岩の迷路イシャルで
マダガスカルのサルたちと暮らす
アフリカの大密林の中で―きみはこのサルの指の謎を解けるか?
森の妖精にきいてみよう
謎は謎をよぶ―ピョンピョン歩きの秘密
チンパンジーの森へ
げんこつで歩くナックル・ウォーキングの謎
ゴリラとアウストラロピテクス
歯は宝石よりすばらしい
人類は何を食べてきたのか
東アフリカのサバンナはこわいぞ
なぜ、立つのか
石を持つ、立って歩く
著者等紹介
島泰三[シマタイゾウ]
1946年生まれ。山口県出身。東京大学理学部人類学教室卒。理学博士・マダガスカル国シュヴァリエ。2002年以来NGO日本アイアイ・ファンド代表としてマダガスカル北西部の「アンジアマンギラーナ監視森林」を保護・観察している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Y子
1
サルにはたくさんの種類がいて食べ物や場所によって手や口が進化している。人間に近いチンパンジーやニホンザルが物を持ったときには二足歩行になることから、人間は物を持つために、また、歯は栄養豊富な骨を食べるために平らになり、石で骨を砕くために持って二足歩行になった。調査に関するエピソードも日本ではあり得ないことなどが行って面白かった。2016/12/20
こぺたろう
0
これ、途中からすごく面白くなった。あくまでも仮説の段階で、それが主流になってるのかどうかもわからないが、とにかく今の人間の手と歯の機能から、我々の祖先がどのように食料を得ていたのかを検討。 マダガスカルの猿の多様さにも驚いたが、仮説にも驚いた。 はじめはそんなふうにして二足歩行を始めて、そのうち集団的に獲物を狩ることを覚えたのかなあ。2016/05/14
rubyring
0
アイアイなどいろいろなサルの口と手と主食の関係を考えていく部分が面白い。初期人類の食性に関する仮説については同意しにくい。2015/04/25
ビシャカナ
0
児童書ながら知的興奮が味わえる。アイアイの手から始まり人類の進化の謎に迫る。本書のもとになった新書版があるようなので、そのうち読み比べたい。2014/09/26
susululu
0
図書館で子供向きの本だからすぐにに読めると思って読み切って帰るつもりで立って読んでいたんですが、情報量が多くて断念、借りてきました(^^;;人類二足歩行の謎解きがでてくるのは後の方で、伏線としてですが、ほぼ原猿のお話が中心です。少し後の人類で骨を食べた形跡があるので、同じようにエビデンスがでるといいですね。他の人類の手をもっと注目して見たいと思いました。2012/10/31